この本のタイトル、魅力的ですね。太陽・月・大地、豊かな実りを想像します。

ところで「太陽と月」とは、キリスト教とイスラム教を象徴しています。

世界3大宗教の2つ、キリスト教とイスラム教。現在でもこの2つの宗教が原因で争いは世界中でおこっています。

「太陽と月の大地」は16世紀のグラナダ(スペイン)を舞台としたお話ですが、

今の世の中についても深く考えさせてくれる良い本でした!

さすが中学校の課題図書だけありますね。

あらすじと、感想文のテーマのヒントをまとめたので

参考になると嬉しいです。

さて、内容はと言うと・・・

 
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「太陽と月の大地」ってどんな本?

「太陽と月の大地」(福音館書店)は中学生の課題図書で、外国が舞台の物語です。

  • 著者・・・コンチャ・ロペス=ナルバエス
  • 訳者・・・宇野 和美
  • 挿絵・・・松本 里美

作者のコンチャ・ロペス=ナルバエスってどんな人?

コンチャ・ロペス=ナルバエスさんは、スペイン国籍で、1939年セビーリャ生まれの児童文学作家です。

セビーリャ大学で史学を勉強、歴史の先生をしていましたが、1984年にこの作品でデビューしました。

国際アンデルセン賞の候補にもなるなど、戦後スペイン児童文学の代表の一人なんです!

大きなテーマは宗教・友情で、人間とは?を考えさせてくれる作品が多いようです。

日本人にはややなじみが薄いように感じるかもしれませんが、

昔から宗教も友情も、人が生きていく上でとても大きな要素ですよね!

 

「太陽と月の大地」ひとことあらすじ

16世紀グラナダ(スペイン南部)でキリスト教の支配に苦しむイスラム教の信徒が反乱を起こし、制圧された。

争いごとによって宗教を越えてつながっていた人間関係が壊れてしまう様子を描いた物語です。

 

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主な登場人物

エルナンド

スペイン、グラナダに住むモリスコ(キリスト教を信じる元イスラム教徒)の若者。

祖父・父は共にモリスコで、母は元々キリスト教の信者でした。

エルナンドの住む土地を治める貴族の娘マリアとは仲が良かったのですが、争いごとの後、身分の違いが2人を引き裂きます。

 

マリア

グラナダのベガ(沃野)を治めているアルベーニャ伯爵(貴族)の娘。

マリアの祖父とエルナンドの祖父は少年時代からの友人で、領主と農民以上の友情がありました。

エルナンドとは幼なじみで、淡い恋心も持っていました。

 

ミゲル

エルナンドの兄。キリスト教貴族の傲慢な振る舞いに腹を立て、反抗的な態度をとってしまったことで街を追われ、山賊になります。

 

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「太陽と月の大地」あらすじと結末ネタバレ

お話は16世紀初頭のグラナダから始まります。

グラナダを治めるアルベーニャ伯爵(ドン・ペドロ)が、エルナンド達の住むベガと呼ばれる沃野(作物が良く育つとても良い土地)を

家族で訪れます。

アルベーニャ伯爵の一行は普段はスペイン中央部のカスティージャに住んでいて、年に一度、治めている土地を点検に来るのです。

アルベーニャ伯爵の父(ドン・ゴンサロ)と、エルナンドの祖父(ディエゴ)は少年時代からの友人で、親友と呼べるほどの仲でした。

しかし、2人の息子や孫たちは、支配する側とされる側と言う立場の違いを感じています

支配する側の伯爵の息子の一人は「なぜ領民と仲良くしなければならないのか」と思い、不遜な態度でエルナンドの家族と接します。

逆に支配される側のエルナンドの兄ミゲルも伯爵家にこびへつらうことを嫌います。

(身分の違いを越えた友情もあるのでしょうが、でもやっぱり身分の違いがあると素直に接することは難しいですよね・・・)

 

グラナダの市が立つ日、店の奥で揚げ菓子を作っているモリスコの娘のベールを、無造作にはねあげてキスをしたキリスト教徒の若者がいました

いでたちや大胆不敵な振る舞いは、名家の傲慢さからくるもので、野次馬たちはだれも娘をかばおうとしませんでした。

たまたま娘を抱え込んでいる若者をみたミゲルは怒りにふるえ、ためらいもなく若者に飛びかかり、決闘をしてしまいます

ミゲルは若者の腹を刺してしまい、その場から逃げます

ミゲルは横町にある布地屋にかくまってもらい、コルドバの町を逃げ出し、山に隠れます

山ではキリスト教徒のマルティニーリョに助けられ、友情を結びます

その後、ミゲルはモリスコの山賊の一味と出会い、行動を共にすることになりました。

 

伯爵一行はグラナダでの所用を終え、アルプハーラという所でひと夏を過ごすことにしました。

(さすが伯爵、色んなところに領地を持っているんですね)

マリアはエルナンドがお気に入りで、アルプハーラにも連れて行き、共に過ごしました。

そして、ひと夏を楽しく過ごします。

夏の夜、村では火祭りの炎がとても美しく夜空を彩ります。

伯爵は火祭りに対して寛容ですが、伯爵の息子のイニゴには許せません

なぜなら火祭りはモーロ(イスラム教)の風習だからです。

(もう一人の息子ゴンサロとエルナンドはすっかり打ち解けているのですが、感じ方は人それぞれですからね・・・)

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秋が近づくころ、ゴンサロは馬で遠乗りに出かけました

油断して護衛の無い状態での遠出で、運悪く山賊にとらわれてしまいます

ただ、山賊の中にはエルナンドの兄のミゲルがいました。

ミゲルはゴンサロがモリスコにも理解のあるキリスト教徒だと知っていたので

何とかゴンサロを助け、逃がしてやります

 

ブドウの収穫が終わるころ、アルベーニャ伯爵とその家族は、カスティーリャの領地に帰っていきました。

エルナンドはマリアと過ごした夏を思い出し、落ち着きません。

秋になり、グラナダでは不穏なうわさが広がります

モーロ(イスラム教)の習慣が間もなく禁止されるという噂です。

モリスコ(イスラム教徒)たちは身の危険を感じ、結束していきます。

同時に、キリスト教徒を目の敵にするようになります

 

1567年1月。イスラム教の習慣をすべて禁じるおふれが出されます

絶望にくれるエルナンドの家族。

領地を治める貴族たちも、反乱の危険を感じておふれを取り下げるように努力しますがかないません。

状況は悪化の一途をたどり、モリスコ達は蜂起(反乱)の準備を着々と進めます

ミゲルは姿を変えてエルナンドの家に現れ、共に闘うことを提案します。

しかし、エルナンドの家族はそこにとどまることを選びます。

 

1567年12月。ついにモリスコ達は立ち上がります

ただし、蜂起したモリスコ達は実は多くはありませんでした。

ほとんどのモリスコは蜂起の呼びかけには答えなかったのです。

しかし反乱は始まってしまいました。

蜂起したモリスコ達は、キリスト教徒を襲い始めます

ミゲルは反乱軍にいますが横暴を押さえながら

キリスト教徒の友人を助ける行動もしていきます。

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エルナンドの家族は、ミゲルという犯罪者・反乱者の家族として役人に連れていかれてしまいます

アルベーニャ伯爵がすぐに身元引受人となり、釈放されますが、エルナンド達が家に戻った時には

土地はめちゃめちゃに荒らされてしまっていました

エルナンド達は全てを失い、残ったのは恐怖と恨みのみでした。

土地をはなれ、アルプハーラの山へ逃げ込み、過酷な逃亡生活を続けます。

戦争はさらに2年ほど続き、その中でミゲルも命を落とします。

アルベーニャ伯爵の息子のイニゴも、偵察中に死んでしまいます。

戦争により、豊かだったグラナダ王国は、荒れ果てた土地になってしまいました

 

武器をとらなかったエルナンドとフランシスコは何とか逃げのびていました。

しかし、キリスト教軍の兵士に見つかり、つかまってしまいます

そして、奴隷としてせり落とされることになりました。

広場で始まったせりで、2人をせり落としたのは、アルベーニャ伯爵でした。

せり落としたのは好意によるもので、アルベーニャ伯爵は2人と以前と同じようにしようとします。

しかし奴隷の身分となった2人は、自尊心を持てず、かつてと同じようには伯爵たちと接することはできません。

伯爵はエルナンド達に自由を証明する書類と通行許可証を渡し、2人を自由にします。

 

エルナンド達はアフリカに旅立ちました

苦難の生活ののち、アルジェで何とか成功したことを、エルナンドはマリアに手紙で伝えます。

そしていつか、自分の子孫とマリアの子孫が「平和ごっこ」をすることを夢見ています。

 

おわり

(戦争って、とことん理不尽で、だれのためになっているんだろうとつくづく思います・・・)

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感想文のヒント

宗教を巡る争いをまとめ、乗りこえる方法を考える!

「太陽と月の大地」の舞台はスペイン南部、グラナダ周辺でした。

スペイン南部は、アフリカ大陸と近く、ジブラルタル海峡を越えてイスラム教徒が入植していたことがあります。

そこに根を下ろしたイスラム教徒と、元から住んでいたキリスト教徒。

土地を巡る争いが起きてしまうのは、悲しいけれど必然ですね。

イスラム教徒がアフリカ大陸から、ヨーロッパに入っていったルートが、

地図を見ると見えてきますよ。↓↓

 

身分の違いを越えた友情について考える!

友情は個人が結ぶものなので、世代がかわっても続くものでしょうか?

エルナンドの祖父とマリアの祖父は子どものころからの親友でした。

しかし、その息子、孫の世代の関係は

貴族と農民という身分の違いからくる距離感が感じられます。

今の日本は身分制度はなく、だれもが平等と言われています。

しかし、それは本当なのか、あなたなりに考えたことを表現できるといいですね。

あなたの周りに、貴族・超お金持ち・外国出身の人はいますか?

立場や出身が違う人がいれば、あなたはその人にこびることなくフェア(公平・平等)に接しているかどうかを考えてみてください。

逆に、立場が上の人だったら、身分が下の人にどのように接しているかどうかを考えてみてください。

普通に接している中に傲慢さがかくれているかもしれません。

 

こんな順番で書いてみてはどうでしょう

①今、自分がおかれている状況を振り返りましょう。

親友とでも呼べる仲のよい友達・異性とは、きっと心の底から、打算なしで付き合っていますよね。

具体的な例・エピソードで、読む人の関心をひきつけましょう。

友達とは、その生まれや境遇の違いを越えてつながっていることを伝えましょう。

②自分の親の人付き合いについて観察して書いてみましょう。

大人は、趣味の分野で関わっている人たちとは、多分友情に近い感覚で接しています。

仕事の分野でも同じかもしれませんが、打算・計算が見えるかもしれません。

身分や立場の差・長幼の序など、人間関係はニュートラルとはいかないのが現実です。

でも、話をすることで、通じあい、相手が何を考えているかを理解することができます。

③「太陽と月の大地」の時代背景、人間関係をまとめましょう。

16世紀のスペインはキリスト教が改めて力を持ち、イスラム教を信じる人々を治めました。

支配するものと支配されるものが違う宗教を信じている状態では、

お互いに信頼できているといいのですが、一旦信頼関係が崩れると、

争いが起きやすい不安定な状態になってしまいます。

エルナンドの家族とマリアの家族は信頼関係がありました。

しかし、キリスト教の王がイスラム教を禁じることで、

イスラム教を信じる多くの人が不満を持って、争いがおこってしまいました。

④身分制度・宗教の違いが引き起こす悲劇についてまとめましょう。

この物語では信頼関係が崩れてしまったが故の悲劇が描かれています。

日本でも江戸時代にキリシタンの弾圧がありましたね。

異教徒は何をするかわからないので、排除されやすいのです。

信じる宗教を変えるか、こっそり信じ続けるか、住んでいる土地を捨ててどこかへ流れ落ちるか、

どれを選んでも苦難の道が待っていますね。

⑤争いを乗りこえるためにどんなことができるか考えましょう。

では、争い事が起きないためにはどうあるべきだったのでしょうか。

キリスト教の支配者が、イスラム教の教えを認めれば良かったのでしょうか。

でも、ただ認めるだけでは信頼関係は築けません。

しかも、イスラム教の信者が団結したら、支配はうまくいきません。

大切なのは、やはり信頼関係を築くことではないでしょうか。

エルナンドの祖父とマリアの祖父は友情を持って関わることができました。

つまり、友情を結ぶことができれば、大変な争いごとになることはないでしょう。

わかりあうこと、そのために努力することが、とても大切だと言えるでしょう。

⑥現在の社会状況から、差別なく、みんなが幸せに生きるためのヒントを出しましょう。

例えば今の社会(2018年)でも、対話は重要なキーワードですね。

北朝鮮と韓国、アメリカ、日本の関係はあまりよいとは言えません。

北朝鮮と他の国のかかわりが少ないということが一番の理由です。

トップ(支配者)だけではなく、草の根(普通の人)の交流もとても重要なポイントです。

日本は今、外国出身の人がどんどん定住し始めています。

外国出身の人や親が外国生まれの人と、あなたは関わる機会がありますか?

もしいれば、仲良くなるまでの過程を書きましょう。

いなければ、仲良くなるための方法を考えましょう。大切なのはやはりコミュニケーションです。

⑦自分がこの世界とどのように関わっていきたいのかの決意を書いて終わりましょう。

あなたはこれから、どのように生きていきたいかを書きましょう。

将来、日本は色々な国からの移民がますます増えていきます。

近所に外国出身の人が確実にいる時代になります。

言葉が通じない人に対しても、心を閉ざすことなく、理解することを心掛けていきたいことを

書いて終わりましょう。

 

さいごに

表面上、宗教の違いが原因での争いは世界中で起きています。

特にイスラム教とキリスト教を巡る争いは

西アジア・ヨーロッパ・アフリカでは今でも大変な問題となっています。

この本を読んで、是非現在の世界状況についても考えてほしいです。

世界に目を向け、世界で活躍する人に、あなたがなると嬉しいです!

読書感想文も、頑張ってまとめて下さいね!

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