この作品を読んだ人は、きっと自分の進路について考えられます。
 
そして人生について考えたことが、そのまま読書感想文になります!
 
主人公の人生(進路)の悩みにきっと共感できますよ!
 

 

「105度」ってどんな本?

「105度」(あすなろ書房)は2018年の中学生の読書感想文課題図書です。
 
著者は、佐藤まどかさんですが、なかなか興味深い人生を送られています。
 
 

佐藤まどかさんってどんな人?

佐藤まどかさんは児童文学作家で、イタリア在住のプロダクトデザイナーでもあります。
多分デザイナーの方が本職ですよ。
娘に書いたお話で作家としてデビューしたそうです。
両親の離婚など少し複雑な家庭で育った彼女は、子供に希望を感じさせる作品を作ることがモットーで、読むとなんだか清々しい気持ちになります。

今回の作品は、彼女の人生がふんだんに反映されているようです。

 

スポンサーリンク

一言あらすじ

イスのデザインに魅力を感じる中3の主人公が父親の反対にも負けず
 
友達とともにイスの学生コンクールに出品し、自分の進路が決まってくる話。
 

主な登場人物

大木戸 真(おおきど しん)
この物語の主人公。逗子の公立中学校に2年間通っていたのですが、
 
都立の中高一貫公立校に受験して編入したかしこい中3の男子。
 
イスを作る職人だった祖父の影響か、いすのデザインに興味があります。
 
 
早川 梨々(はやかわ りり)
真と同じ中高一貫公立校に通う中三の女子。
 
女子なのに、学年で1人だけスカートではなくスラックスで通っていて
 
代わり者扱いされていて、スラカワと呼ばれている。
 
真の祖父のライバル会社セーディアの創業者の孫娘でもあり、
 
真がデザインしたいすをモデラー(製作者)として作りあげます。
 
 
オヤジ(とうさん)
真の父親で、Y大学出身のサラリーマン。
 
真がデザイン系の道に進むことに反対の元ラガーマン。
 
デザイン系の道を選んだ苦労する同窓生と真を会わせ
 
真の夢を断念させようとします。
 
 
じいちゃん
真の父方の祖父で、元イス職人。
 
体が不自由になったので、真の家族が引っ越してきて
 
同居しています。
 
 
大木戸 力(おおきど りき)
真の弟で小学校4年生。頭も良く丈夫な真に比べて体が弱く、
 
両親は大きな期待をしていない。
 
 
スポンサーリンク

主な内容・あらすじ(ネタバレです)

祖父と同居するために、逗子から東京へと
真の家族は引っ越します。
真は中3。翌年に高校受験をしなくてすむように
18倍の競争を勝ち抜き
都立の中高一貫校に編入します。
新しい学校での初日、クラスでの自己紹介で
「好きなことは?」と先生に聞かれた時、反射的に
「イスです」
と答え、クラスの失笑を買ってしまいますが、
真はイスに「人の気配」を感じられるイスマニア。
祖父がイス職人だったことが影響しているようです。
 
昼休み、真は図書館へ向かいます。
そこで『イスのデザインミュージアム』という本を見つけ、
喜んで手に取り読んでいる時、後ろから声がかかります。
声をかけたのはスラックスをはいた大柄な女子でした。
彼女の名前は早川梨々。
学校ではスラカワと呼ばれている
変わり者でしたが、彼女もイスに詳しく、
真は意気投合、
2人はすぐに仲良くなります。
そして2人は、家族に内緒の極秘プロジェクトとして
『全国学生チェアデザインコンペ』
に出品するイスを作ることにします。
真がデザイナー、梨々がモデラー(製作者)として
プロジェクトを進めます。
 
真の家でプロジェクトは進みますが、
デザインがなかなか決まりません。
デザイナーを務める真には
モデラーよりデザイナーの方が立場が上
という意識が心のどこかにあり、
モデラーの梨々に上から目線で話し、
梨々とケンカになってしまいます。
 
ケンカの仲裁をしたのは
伝説のモデラーである真のじいちゃん。
じいちゃんは語ります。
職人を怒らせるようなデザイナーに、
ろくなやつはいねえんだ。
仕事はフィフティ・フィフティだ。
どっちが上も下もねえぞ。
説得力ある発言にさらにじいちゃんは重ねます。
(これがこの物語のキモです!少し要約しますよ!)
105度はイスに軽く寄りかかるのに丁度いい。
人間関係も105度ぐらいがちょうどいい。
90度で直立しても、ソファや寝椅子みたいによりかかるのも
よくねえ。
お互いにちょっと寄りかかってこそ、
人間関係はうまくいく。
人間なんて、だれだってだれかによりかかって生きてんだよ。
お前はかなり寄りかかってるくせに
直立して一人で立ってるような顔してやがる。
スポンサーリンク
 
じいちゃんの言葉を理解した真は
梨々の家まで謝りに行きます。
梨々は有名なイスメーカーの創業者の孫でした。
梨々と仲直りした真は
梨々の家の隣にある工場を見学します。
モデラーもデザイナーもたがいに妥協せず、
プロとプロがぶつかり合い、
同じ目的に向かって突き進む熱気
を間近で見ることができ真は感動するのです。
そして、改めてイスのデザインを考えていきます。
 
しかし、秘密だったプロジェクトは
父にばれてしまいます。
父は、真がクリエイターの道に進むことには大反対
真は父と口論になります。
そして父は、
クリエイターの道を選んだ二人の友人がとても苦労している話
を真に聞きに行かせます。
父のいいなりになるのは嫌ですが、
プロの話を聞きたい好奇心もあり、
父の友人たちの話を真は聞くことにします。
 
真は実際に、人気デザイナーのスタジオを訪れ、
話を聞きます。
人気デザイナーでもすぐに安い類似品でまねされる
とか
若手の方が給料が安くて順応力があるので使いやすい
とか、現実の話を教えられます。でも、
やっぱりデザインを考えるのが楽しいから
仕事はやめられない
ということも聞いたり、
イスを作る建築家もたくさんいる
ことを教えられたりして
真には人生を考えるとてもよい時間となりました。
 
真はさらにもう一人の父の友人の話も聞きます。
話の中で
最も芸術的な才能を持っていた父の友人が
若くして変死してしまった
ことを真は知ってしまいます。
 
じいちゃんのアドバイスを受けながら、
真はイスのデザインを進めます。
そして、ついにデザインが仕上がります
デザインしたイスの名前は
フリースタイル
で、
ひじ掛けと背もたれが一体化した美しいデザイン。
梨々も気に入り、
5分の1モデルを製作することになりました。
実際に作ってみて微調整をくり返し、
5分の1モデルは完成します。
スポンサーリンク
 
そしていよいよ、2人は
原寸模型(モックアップ)
の作成に取り掛かります。
デザイナーの真は
モデラーの梨々の助手として
作業を手伝います。
梨々の会社の職人さんの手も借り
イスが作り上げられました。
真は達成感いっぱいで
思わず叫んでしまいます。
 
イス作りを通して、真は随分変わりました。
1人でできることなんて、たかが知れてる。
苦労や喜びを共にすることは面白い
ということに気づいたのです。
 
真と梨々は最後も協力して説明パネルを完成させ
全国学生チェアデザインコンペに
作ったイスを出品します。
作品は無事予選を通過。
最終的に
審査員特別賞を受賞します。
最優秀作品はTK大(おそらく東京工業大学)の
建築課の学生が作った作品でした。
父の反対がありながらも、
大学で建築を学ぶことを
真は自分の進路として決めたのでした。
(おわり)
スポンサーリンク
 

感想文のヒント

中学生はそろそろ自分の進路について考える時期ですよね。
「105度」の真と自分を比べてみると、きっと深い作文ができますよ。
 

自分と真の夢・目標の進み方の違いを考えてみる

真には「イス」という人生のテーマがありました。
あなたには夢中になれる何かがありますか?
あれば、もしかするとその何かが未来につながるかもしれません。
あなたが将来のためにしていることと
真が将来のためにしていること
を比べてみましょう。
そして自分も夢を実現するために
動き出しましょう。
 

親と子の葛藤を自分に引き付けてみる。

真のお父さんは、真がデザイナーになること
つまり芸術で生きていくことに反対しています。
収入は不安定で絶えずプレッシャーにさらされるからです。
せっかくのよい頭が真にはあるので、
いわゆるいい大学に入り、いい会社に入ることを
お父さんは望んでいます。
お父さんの考え方も、分からなくはないですよね。
世の中にはやりたいことをやって生きている人は
ほんの一握りです。
でも、やっぱり目指さないと
好きなことをして生きていくことはできません。
あなたは、人生をどのように生きていこうと考えていますか?
人生についてまとめられると、良い作文になりそうですね。
 

自分はだれかに支えられて生きていることをまとめる

イス作りのプロジェクトを通して真は
たくさんの人とかかわっていく喜びを実感します。
あなたはどうでしょうか?
日々、いろんな人とのつながりを感じていますか?
感じていないのであれば、考えてみましょう。
きっと、たくさんの人とつながっていることに気づくはずです。
 
スポンサーリンク

ポイントは「比べる!」

自分が伝えたいことを、登場人物と比べて表現することで、

自分の意見はよりはっきりと伝わります。

色々な例を「比較」して、説得力のある文章に仕上げましょう!

 

こんな順番で書くと読書感想文としてまとまります!

①自分の夢・目標を語りましょう!

自分が20年後、どんな仕事をして生きているのかを想像してみましょう。

中学生のあなたには、まだ就く職業ははっきりしていないかもしれません。

でも、だからこそ、色々な可能性について調べ、実現の方法を考えましょう。

読書感想文を仕上げる以上に

意味のある時間になるかもしれませんね。

②真の目標について考えてみましょう。

真は祖父の影響もあり、

人の生活が感じられるイスに興味を持っていました。

そして、デザインの才能もあるので、

将来プロダクトデザインに関係する職業を目指すのは

自然な目標設定です。

さらにデザインコンペに出品する作品を作る中で

協働する喜びを感じていきます。

きっと、真の人生は進むべくして進んでいるんだ

ということをまとめましょう。

③デザイナーとサラリーマンの違いを浮き上がらせましょう。

デザインに道に真が進むことを、真の父は反対します。

父が考えるまっとうな道と真が考える道の大きな違いをまとめましょう。

サラリーマンは給料をもらって安定した生活が遅れる可能性が高いです。

クリエイターは、アイデアが枯れたら収入はなくなる不安定な職業。

プロの世界で生きている人はたくさんいますが、

あなたはどちらを選ぶか理由を添えて書きましょう。

④仕事をするのは1人ではないというじいちゃんの言葉をとり上げましょう。

サラリーマンだろうがプロだろうが、仕事は1人では成り立ちません。

真のイス作りの場合、まず仕事のパートナーである梨々に始まり、

アドバイスをしてくれたじいちゃん、梨々の祖父の工場の職人さん、

そしてコンペの審査員など、たくさんの人が関わっています。

今あなたがおかれた環境で、

あなたの生活・人生に関わる人を書きだしてみましょう。

そして、たくさんの人とかかわっていることを実感したことを伝えましょう。

⑤自分がどうしていきたいのか、真の行動と重ねつつまとめて終わりましょう。

大人は言います。

「君たちには無限の可能性がある。」

と。

でも実は、

何も選んでいないから可能性がたくさんある

と言うだけのことですね。

自分たちはこれから、進路や職業など、色々選びとり、

無限ではなく、有限の世界で生きていく

わけで、何を選ぶかを

今からじっくり考えていきたい

とまとめましょう。

真はイスのデザインのために

建築を学ぶ決意をしたように、

自分も自分の道を

選んでいきたい!

と決意して終わりましょう。

 

最後に

あなたが作品を読んで

自分の人生を考えることができた

とすれば、読書にはきっと価値があったということです。

「105度」は人生を考えるという意味で

とても良い作品でしたね。

あなたがどんな人生を送るのか

それはやはりあなたが決めていくことです。

あなたの人生の主役はあなたです。

夢を持っていきましょう!

スポンサーリンク