
ここでは、有川 浩(ありかわ ひろ)さん著「明日の子供たち」の読書感想文の書き方とヒントをお伝えしています。
簡潔なあらすじ&結末ネタバレも含みます。
「明日の子供たち」はボリュームがある本ですが、感情を揺さぶられる内容なので、すぐに読み終わるし、読書感想文もとっても書きやすいと思います!
あなたもぜひチャレンジしてみてください。
読書感想文にイチオシ!「明日の子供たち」をサクッと解説
ここでは「明日の子供たち」の主な登場人物を紹介します。
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主な登場人物
- 三田村 慎平:この物語の主人公。元はソフトウェア会社で営業をしていた。
- 和泉 和恵:三田村を教することになった先輩職員。職場では3年目の古株。ショートカットでやや厳しい。
- 猪俣 吉行:施設のベテラン職員。和泉の仕事の上での「羅針盤」だが、進学に関する意見は合わない。
- 谷村 奏子:施設で生活している高校生2年生。いわゆる「問題のない」子で反省文も書いたことがない。施設では前例の少ない進学志望。
- 平田 久志:施設で生活している高校生2年生。「問題のない」しっかりした子で、読書好き。学費のかからない防衛大学への進学を考えている。
「明日の子供たち」あらすじとポイント
児童養護施設「あしたの家」に、また新しい職員・三田村が入ってきました。
本当に子供たちのためになることがわからず、三田村は失敗ばかり。
一般家庭の子供たちと違い、施設の子供たちの高校卒業後には、数えきれない困難が待っています。
子供たちの将来を本気で考える先生方と、必死で生きる子供たちの物語です。
電車で読んではいけません。
人前で読んでもいけません。
ハンカチ必須の物語です。
かわいそう。
少しでも手伝ってあげたい。
こんな上っ面の優しさは、施設の子供たちのためにならない。
この本で、この上っ面の優しさをダメ出しされて
自分が偽善者というより、思慮が浅いと恥ずかしくなりました。
三田村は、僕であり、読者全員を象徴する存在です。
いや、三田村は僕よりは「いい人」かも。
最終目標が「子供たちが自立して、健全な生活を送れるようになること」だとすると
単純に手伝ってあげることは子供たちのためになりません。
進路を決めるときも同じ。
進学するのか、就職するのか。
一人で生活していけるのか。
優しいだけでは、子供のためになる行動はできないんですね。
環境のせいで、しっかりしているというと聞こえはいいですが
同年代の子供たちより大人びてしまうのは、痛々しくて読んでいて辛いです。
必死に生きて、成長していく子供、特に高校生。
それを見守り、本当に子供たちの助けになることを探し続ける先生方。
この本は、進路に悩む10代の人にも、子育て中の親世代にも読んで欲しいです!
感想文にするなら
心を動かされた場面があれば、そこが感想文ポイントです!
例えば下のリストに書いたこと、考えませんでしたか?
- 高校・大学進学は「当たり前」か。
- 人生における先輩の役割。
- 児童養護施設で育つことは不幸か。
- 人によって「住む世界」は違うのか。
- 無目的な施設の意義。
- 価値観の転倒はビジネスチャンス。
誰もが与えられた条件・環境で生きています。
生まれた環境がが恵まれたものなのかそうでないかは
受け取り方によっても千差万別ですが、
自分はどう生きるか
につなげていけると、良い感想文になりますよ。
こんな順番で書きましょう!
以下に流れを書いてみました。
自分なら・・・と考えながらまとめていきましょう。
自分の置かれた環境を簡単にまとめる。
あなたが今、生きている環境をまとめましょう。
- 都市部に住んでいる?田舎に住んでいる?
- 家族の構成は?家族内の人間関係は?
- 保護者の職業は?子育てに時間を割いている?
などを書いていけるとよいでしょう。
個人的な話で、読者をひきつけましょう!
児童養護施設の登場人物の生活をまとめる。
『明日の子どもたち』の施設の生活をまとめましょう。
- 施設の中でも時間は細かく区切られている。
- 就寝時間・門限がある。
ことを、落ち着いた集団生活に必要という観点から書きましょう。
自分とその登場人物の生活環境の違いをまとめる。
施設の暮らしと比べて、自分は自由でしょうか?
食事時間・就寝時間・学習時間
などを比べてみましょう。
そして、自分が何も考えずにぼんやりできる時間や場所があるかを考え、
施設に暮らす子どもたちと比べてみましょう。
自分が「ホッ」とできる場所について考える。
何もしない、ホッとできる場所の意味を考えましょう。
リラックスや、チャージの場所になっていれば、
ホッとできる場所のメリットとして書きましょう。
そして「ホッ」とできる場所を存続させるための
奏子や久志、職員たちの努力に共感しましょう。
自分が将来、どのような道を歩もうとしているのかをまとめる。
自分が目指している道が、例えば大学進学であれば、
自分の決意がどれほど強いかを書きましょう!
大学進学ではなくても、親のお金をあてにするのであれば
自分の意識がどれぐらい高いのかを書きましょう。
将来につながる今の自分の状況をよく知り、
冷静に将来について考えて終わりましょう。
作者情報
作者は、有川 浩(ありかわ ひろ)さん。
名前だけからは男か女かはわかりませんが、
園田学園大学卒業の女性です。
1972年高知県生まれ。きっと関西を中心に生活されています。
著書は『図書館戦争』や『塩の街』『空の中』『海の底』という自衛隊三部作や『フリーター、家を買う』などがありますが
関西人の僕にとっては『阪急電車』が一番印象深いです(笑)。
最後に
何の制約もなく進学できる人なんて一握りです。
ただ、あまり何も考えずに進学できて、実際に進学している人はたくさんいます。
「あしたの家」の久志や奏子は、進学についてとても深く考えているので、
彼らの将来はきっと安心です。
あなたもこの作品を読むことで
未来の自分を考えることができたなら
読書には意味があったということです!
あなた自身の未来に向けて、がんばって下さいね!
おまけ情報
生涯収入って、知っていますか?
一生働いて手に入れることのできるお金のことです。
一般に、大卒は高卒より6千万円位多く稼げるようです。
能力と機会があるなら、たくさん学んで社会に出ましょう!
児童養護施設の子供たちにも
返済不要の奨学金の制度が整いつつあるので、
どの子にも学びのチャンスが広がるといいなぁ…と
個人的には思っています。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!
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