
ここでは
さくらんぼ計算に意味があるのか
本当に子供たちに必要なのか。
そして、先生たちが子供たちに
さくらんぼ計算をさせる理由をまとめています。
先生側の立場からですが、
少しでも納得していただけるといいな・・・と思って書きました。
【さくらんぼ計算への保護者の不満】算数のテストが減点だらけ?!
小1の子供が算数の足し算のテストを持って帰ってきたら
驚きの低得点!
うちの子
足し算できてるのになぜだ!!!!!
とお父さんお母さんが思うのももっともかもしれません。
※うちの子は、全く点をつけてもらえなかったことがあります。( ;∀;)
つまり0点?!
「我が子は計算できているのに、さくらんぼを書かなかったから減点された!」
「算数はいろんな解き方があっていいはずなのに、さくらんぼけいさんを強制するのはおかしい!」
と思う方もいらっしゃるでしょう。
それに、初めて全問✖の答案用紙を見ると、親は動揺するものです。
子供の宿題を手伝おうとして、初めてさくらんぼ計算を見た時も
正しい方法で教えられるのか、
っていうか
さくらんぼ計算の「正しいやり方」って???ってなります。
そこで次で、さくらんぼ計算の「正しいやり方」を解説します。
さくらんぼ計算の「正しいやり方」を知ってるよー!という方は
「さくらんぼ計算の正しいやり方」は飛ばして、
「さくらんぼ計算の目的」を読んで下さい!
さくらんぼ計算の「正しいやり方」
8+5を例にして、
さくらんぼけいさんで解いてみますね。
基本は後ろの数(たす数)を分解
基本は前の数を見ながら、後ろの数を10ができるように分解します。
たす数の5を、2と3に分けます。
①8と2を足して10
②10に3を足して13
前の数(足される数)を分解
後ろの数を見ながら前の数を10を作るように分解する方法もあります。
8を、3と5に分けます。
①5に5を足して10
②3に10を足して13
上に書いたように、後ろの数でも前の数でも
さくらんぼ計算ができます。
めでたしめでたし・・・
じゃないから、納得いかないんですよね!
なんでこんな面倒くさい方法を、わざわざしなきゃいかんのじゃ!
ということで、次はさくらんぼ計算の目的についてです。
さくらんぼ計算の「目的」
さくらんぼけいさんの目的はズバリ
10のかたまりを作って考える
ことなんです。
実は、ぼくたちの生きる世界の数は、基本は10進数で考えられています。
10進数で考えていることを一番分かりやすいのはお金です。
お金は5も使いますが、基本は10進数でできています。
1円・5円・10円・50円・100円・500円・千円・五千円・一万円。
5か10のまとまりで、硬貨や、お札が作られています。
そして10のかたまりができるごとに、位が上がっていきます。
大人にとっては1円玉5枚より10円玉1枚の方が、価値があるのは当たり前ですが
子どもにとっては、1円玉5枚の方が価値があると考えてしまうことがあるのですが…
さくらんぼ計算は、子供たちの10進数の考え方の基礎を養っているのです!
先生は子供たちに、10を作る練習をさせたいのです。
目的は分かっていただけたでしょうか?
でも、なんでそんな面倒くさいことをしないといけないのか・・・
という疑問・不満はやっぱり残るかもしれません。
先生側の目的は「見える化」
人の頭の中は見えません。
見えないものを何とか「見える」ようにするのが
文字や絵や図を書くことです。
さくらんぼ計算は、
子どもが考えたことを「見える」ようにする工夫なのです!
授業は1人の先生が、たくさんの子どもを相手にします。
子ども一人一人の頭の中を見ることができれば最高ですが
授業時間内では無理なので、何とか考えたことを記録させ
後でチェックする方法として、さくらんぼ計算は非常に有効なんです!
「あ、この子は10のかたまりが作れているな」
ということが、さくらんぼを見たらわかるんですね。
一度にたくさんの子供を相手にする先生の工夫の一つが
「さくらんぼ計算」なんですよ。
さくらんぼ計算・親にできること
一度、自分の子供がどのように計算しているのかを、じっくり見てみてください。
先生方も努力していますが、
1人の子、つまり自分の子をじっくり見られるのは、
親の特権です。
8+5の計算を出した時、
子どもが指折り数えて計算していたら、
多分その子はまだ10のかたまりを作って計算していません。
つまり、10進法の世界に入っていないということです。
テストで減点されていたとしても、
自分の子が「10のかたまり」を作ることができていたなら
親としては安心して下さい。
サクランボを書いていなくて減点されていたとしても
10進数が理解できているなら、
その子の算数の力は将来きっと伸びていきます。
ただ、「指示されたことを理解して行動出来ない」という意味での減点ですから、
「問題の意図を読み取る」力の方には問題はあるかもしれませんけれど・・・。
最後に
1ケタ+1ケタの計算は練習を何度も繰り返すうちに
無意識にできるようになります。
大人は1ケタ+1ケタの計算はもう覚えてしまっているので
さくらんぼ計算なんて、煩雑に思ってしまうかもしれません。
でも・・・
10のかたまりを作るイメージを持てないままだと
「くり上がり・くり下がりの計算」や「大きな数の計算」の時に苦労することになります。
10進法世界に入る第一歩のくりあがりのある足し算を
見える化する工夫の「さくらんぼ計算」
と、ご理解いただけると嬉しいです。
ただ、教え方にも流行があるので、
さらに良いやり方が開発されるかもしれません。
もっといい、良い解き方が見つかったら、
また解説させていただきます!
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