
このページでは、2019年読書感想文課題図書(高校)
「ヒマラヤに学校をつくる カネなしコネなしの僕と、見捨てられた子どもたちの挑戦」の
- 内容紹介
- 読書感想文のアイデア
- 読書感想文を書くときの流れ
を例も交えてまとめています。
この本は、挑戦することで、世の中を変えていける事を感じさせてくれる良書でした!
自分も何かを頑張ろう!という決意を込めた読書感想文を書きやすいですよ。
あなたの作文作りの参考になれば幸いです。
「ヒマラヤに学校をつくる」のあらすじと要点
筆者は、ネパールの貧しくて教育を受けられなかった子供たちのために、学校を作ります。
さらに学校を卒業する子供たちへ、普通に収入を得て生きていけるように、自立のための支援をします。
体調を崩したことをきっかけに、現場から身を引いた筆者ですが、困っている人を助けたいという熱い思いは変わりません。
この本は、カースト制の差別についての勉強にもなりますし
人間の良いところを凝縮したようなお話です。
日本の中だけ見ていると、世の中ロクなもんじゃないように感じるかもしれません。
ブラック企業とか、政治家や公務員の汚職や、世界は汚いものばかりのように感じるかもしれません。
もう自分が何をしても、世の中が良くなるとは思えない。
だったら最低限の仕事だけやって、あとは自分のためだけに過ごそうか。
そんな風に、いつの間にか投げやりな気持ちになっている人に、読んでほしい本です。
世界に目を向けるてみると、誰かの幸せにすることが自分の幸せで
一歩一歩積み重ねて、大きな幸せを作っている人もいるのです。
私たちは、もっと広い世界を見て
もっとたくさんのことを知ればいいし
今の環境が嫌なら、我慢したり非難するんじゃなく
改善する方法を考える。
そんな能動的な生き方をしたいですね。
「ヒマラヤに学校をつくる」感想文のアイデア
日本を飛び出した筆者のエネルギーと、ネパールの現実、カースト制と学校教育など、論じると良いテーマが色々ありそうですよね。
- 筆者の人生をなぞりながら、自分の人生の今までとこれからを考える。
- ネパールに根強く残るカースト制度と児童労働の現実を見ながら、教育の意味について考える。
- 近代化が良いことかどうかを、筆者のネパールでの経験から考えてみる。
- 日本人の今の教育環境とネパールの教育環境を比べ、教育に対するモチベーションの違いを考える。
などなど、自分が深く考え、まとめることができそうなテーマを設定しましょう。
読書感想文に使えそうなキーワード
読書感想文の中で使うと、ネパールの様子をより詳しく説明できますよ。
「ダリット」
ネパールのカーストの一つ。不可触の選民で、汚物処理を担当する身分。
「ボクシ(魔女)」
何か不幸なことが起こると魔女狩りが行われ、低位カーストの女性がやり玉に上がる事が多い。
「アラチニ(呪われた女)」
女の子を生む女性。男性優位の社会では忌み嫌われ、差別される。
男の子が祈りをささげないと親は天国に行けないと信じられている。。
「幼児結婚」
異なるカースト間で恋愛結婚できないように子どもが幼いころに結婚させるという意味がある。
「児童労働」
貧しい暮らしをする家族が自分たちの負担を減らすために子どもを幼いころから働かせたり、工場へ売ってはたらかせること。
上の言葉を引用すると、日本とは大分違うなぁ・・・ということを、きっと伝えやすいですよ。
「ヒマラヤに学校をつくる」読書感想文の流れの例
根強く残るカースト制と、筆者の願い、そして自分の考えをブレンドして読書感想文にしていきましょう。
1 日本の教育の在り方やスクールカーストについて考える
あなたの通う学校には「スクールカースト」はありますか?
あるなら、自分の体験を踏まえて、スクールカーストの現実を描きましょう。
そして、スクールカースト低位のつらさを表現しましょう。
ぼくが通う学校のクラスには、スクールカーストがある。
ぼくは、カーストの中位にいるので、いじめられるわけでもないし、悪ノリしすぎることもなく、平穏無事に生活している。
でも、スクールカーストの低位に属している友だちは、結構つらい日々を送っている。
何となくクラスの雑用係的な仕事は彼らのものになっている。
何をしたわけでもないのに。
人間関係の問題でクラスでも何となく上下関係が生まれているということを、自分の具体的な体験をもとに書けるといいですよ。
2 ネパールに残る差別にショックを受ける
自分のクラスのカーストは、社会に出たり、クラスが変わったりしたら変化することを書きましょう。
そして、スクールカーストどころじゃない、ネパールの本当のカーストの大変さを書きましょう。
本を読んで「え、本当に!?」と思ったことを正直に、初めて知った今も残る現実にショックを受けたことを綴りましょう。
ぼくが見ているスクールカーストは、クラス替えがあったり、卒業したりすると変化する流動的なものだ。
でも、ネパールのカーストは、その人が生まれてから死ぬまで続く。低位に生まれた子は低位のまま一生を過ごす。
どんなに賢くても、どんなに愚かでも、社会的地位が変わらない。
そんな社会はもう現代には存在しないかと思っていたが、本書を読んでネパールには根強く残っていることを知り、ぼくはショックを受けた。
江戸時代の日本以上に身分制度が残っていて差別が根強い現状に驚きましょう。
3 筆者の取り組みの効果について考える
筆者が行ったことに対してあなたが考えたことをまとめましょう。
ネパールの現実を知った筆者は熱い思いを持って貧しい子たちのために学校を作った。
まさに、コネもお金もない状況からのスタートだったが、奨学金・寺子屋などの取り組みを成功させ、本当に学校を設置することができた。
筆者の熱意が、たくさんの人に共鳴することで、実現できたことだとぼくは思う。
実際に学んだ子供たちの中には、弁護士になった人もいるし、手に職をつけた人もいる。
きっと、少しずつだけれどネパールの現実に風穴をあけているのだ。
学校設立はネパール全体から見たら小さなことかもしれないけれど、
教育の力が少しずつ国の形を変えていくことを期待しながらまとめましょう。
4 筆者の人生をまとめながら、自分も何かできるか考える
筆者の人生(半生)をなぞりながら、自分はどうあるべきかを考えてみましょう。
ネパールに学校を作った筆者は、最初からネパールを目指していた訳ではなかった。
最初はアメリカに行きたいと言う気持ちがあったのだが、生活費が安いという理由でネパールを選んだ。
そして、鍼灸師の技術で、人脈を広げることができた。
手に職を持っていたということは、筆者にとってとても良かった。
ぼく自身には、今はまだ「専門」と言える何かはない。
しかし、社会で役に立つということを考えた時、持っていた方がべダーだと言うことを強く思った。
ぼくは、勉強は苦手で、絵画も得意ではないが、中学校から始めてギターでバンド活動はできる。
ギターを弾ける人はたくさんいるので、大した特技ではないかもしれないが、使い方によっては、人を楽しませたり、感動させたりすることができる。
さらに、大学では建築について学ぼうと思っている。
そして、設計士になり、それぞれの土地にふさわしい建物を作るという夢がある。
筆者のように外国に行こうとは考えたこともなかったが、外国で自分を試すのもおもしろそうだと本書を読んだ今は思っている。
読書して自分が変わったということを書き、読書感想文らしさを出しましょう。
5 世界はどうあるべきか、自分はどうすべきかの自分なりの意見を読書した感想を交えてまとめる
自分を行かせる場所は日本なのか、それとも世界のどこかなのか考えながら、自分なりのベストを尽くしていきたいと言うことをまとめましょう。
ぼくが身につけようとしている建築に関する技術や能力は、もちろん日本でも必要とされる力だ。
でも、実はもっと別の国の方がニーズが高い可能性もある。
日本は現在少子高齢化社会になりつつあり、新しい建物を作る必要は減ってくるので、ぼくは外国、特に発展しつつある国に行こうと思う。
きっと、そこには自分を成長させるチャンスがある。
日本の若者は内向きだと言われているが、ぼくはそうは思わない。
ぼくの周りには様々なことに意欲的な友だちがたくさんいる。
ぼくもそんな友達と切磋琢磨しながら、成長していきたい。
筆者に負けないくらいの意欲をアピールして終わりましょう。
最後に
個人的には、読んで良かったと思える本でした。
教育は、世の中を変える力がある事を感じました。
特に途上国と呼ばれる国々では。
日本では、教育は表面的には行きわたっています。
学ぶことが当たり前になった日本は、むしろ
「なぜ学ばなければならないのか」を考える人が多くなりました。
そんなに学ばなくても、生活できる収入があるからですね。
若者が「内向き」なのも、バイトで生活できたり、親の保護のもとで呑気に生きていけるからでしょうね。
貧しいことが良いとは思いませんが、チャレンジ精神は持ち続けたいものです。
あなたも、あなたなりの挑戦をして、よりよい人生を目指して下さい。
挑戦と言う意味では、もう一つの課題図書
ザ・ヘイト・ユー・ギブ
も、世の中を変える難しさと挑戦について考えさせてくれます。
そちらも是非読んでみてください。
あらすじについてはこちらをどうぞ。
「ザ・ヘイト・ユー・ギブ」読書簡素文のかき方・登場人物とあらすじまとめ
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。