「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」読書感想文の書き方・登場人物とあらすじまとめ

2019年の高校生の読書感想文課題図書「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」の

  • あらすじ
  • 登場人物
  • 読書感想文の書き方

を紹介しています。

「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」は、アメリカにいまだに残る人種差別の問題を正面から扱った作品です。

 

けっこう長い作品ですが、中身は濃いですよ!

様々な人種が共に生きているニューヨークに自分もいるつもりで読み、感想文にまとめましょう!

 
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「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」は映画にもなった

「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」は、映画にもなりました。

予告編の動画が見れますよ。↓

実際に、「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」を読んだ方は、次の

  • 主な登場人物
  • あらすじ

は読み飛ばして、読書感想文の書き方アイデアへどうぞ。

「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」の読書感想文の書き方アイデア

 

「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」の主な登場人物

巻頭にも登場人物がまとめられていますが、人物相関図にまとめました。

どんな人物か分かると、物語の世界により深く入れますよ。

 

PDFにもしたので、大きく見たい人はこちらをどうぞ。

{ザ・ヘイト・ユー・ギブ}の人物相関図(pdf)

是非印刷して参考にして下さい。

 

では、登場人物を詳しく見ていきます。

 

スター

「ザ・ヘイト・ユー・ギブ」のヒロイン。

ガーデン・ハイツ(黒人街)の子どもは普通は通わない白人ばかりのウィリアムソン校(高校)の生徒で16歳。

幼なじみのカリル(黒人)を撃った警察官が擁護されている社会の流れに憤り、カリルの名誉を守るために立ち上がる

 

カリル

スターの幼なじみ。

カリルの車はテールランプが切れていたため警官に止められた時に、警官に撃たれた。

その後、抑圧される黒人の象徴として扱われる。

 

マーベリック

スターの父。元キング・ロードの一員。父親も伝説のギャング。

優秀なヤクの売人だったが、キングの身代わりで刑務所で3年過ごした見返りにギャングを抜ける。

ガーデン・ハイツに食料品店を構えており、キング・ロードだけではなくガーデン・デサイプルというギャングとも話ができるすごい男。

 

リサ

スターの母親。有能な看護師。

ガーデン・ハイツから引っ越すことを切に願っている。

 

カルロス

スターの伯父。警察官。

マーベリックが刑務所にいる間、幼いスターたちの父親代わりだった。

カリルの事件をとても申し訳なく思っていて、発砲したクルーズ巡査を殴りとばした。

 

オフラさん

人権擁護団体の弁護士。

スターの代理人としてカリルの無実を明らかにしようと活動する。

というか、抑圧された黒人の権利を求める女性。

 

クリス

スターのボーイフレンド。カルロス伯父さんと同じ地区の住人で白人。

ベンツやロールスロイスなどの車が8台はある豪邸に住んでいる。

趣味はラップの作曲。

心の底からスターのことを愛している。

 

マヤ

スターのクラスメイトで、バスケット友達。アジア(中国?)系。

カルロス伯父さんと同じ地区に住んでいる。

ウィリアムソン校の少数派(マイノリティー)として、スターと分かりあえる友達。

 

デヴァンテ

キング・ロードの一員。

物語の冒頭のパーティで、兄が撃たれた。

ギャングの世界から抜け出すため、キングの金を盗み、家族をガーデン・ハイツから逃がす。

マーベリックとカルロスにかくまってもらうものの、キングの一味に見つかり、絶体絶命の危機に陥る。

セブン・スター・クリスと、アイーシャによって助け出され、何とか生きのびる。

 

他にもたくさん登場人物はいますが、以上の人たちで、大筋は捉えられます。

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「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」の主なあらすじと要点

高校生の女の子・スターが、目の前で友人を亡くしたことをきっかけに

人権侵害をする警察と地元のギャングと戦う物語。

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白人警官が黒人へ人権侵害をするっていうのは、時々日本でも話題になりますよね。

「白人VS黒人」は物語としてわかりやすいですが、複雑なのは長年のギャングとの関わりです。

 

白人警官が黒人に人権侵害をしたこと証明する時に、ギャングとの関わりがあると説得力ないですよね。

スターの家では、ギャングをやめたい人をかくまってたりするものだから

右も左も敵だらけのような中、高校生のスターは戦うのです。

 

スターはキャラクターも魅力的で人望もあるので、素敵な彼氏がいるのも納得です。

それにしても、カリルが車のドアを開けさえしなければ…と思わずにいられません。

白人警官だって、油断したら危険だと思ってピリピリするだろうし…。

難しい問題です。

この本を読んで、人種差別や上から目線の哀れみの気持ちの問題点だけでなく

  • 声を上げることの大切さ
  • 黒人と白人社会
  • 暴力と言論

についても深く考えさせられます。

ちっぽけな自分のできること。

忘れずにいたいです。

 

 

「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」の読書感想文の書き方アイデア

アメリカの「今」をリアルに切り取った作品です。まさに切り口はたくさんあります。

・差別されてきた黒人の権利拡大と現状を考える。

・憐みの施し的思考が自分にも、日本にもないか考える。

・スターのように「声を上げる」大切さを自分の経験と重ねる。

・黒人と白人の社会の融合について考える。

・暴力と言論。キング牧師とマルコムXの違いを考えながらスターの行動と重ねる。

・出来てしまった雰囲気を変えていくことの大変さ。

などなどたくさん思いつきましたが、あなたなりの視点であなた自身の言葉で感想文がまとめられると最高ですよ。

 

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「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」の読書感想文の流れの例

アメリカに根強く残る差別問題を考えた上で日本の現状、あなたができることを考えるとい流れを考えました。

 

あなたの環境を説明しよう

読者を惹きつけるのに最も重要なのは、冒頭です。

最初に「お、面白そう」と思ってもらうために、あなたの個人的な情報を書くのがお勧めですよ。

私の学校は、一見均質に見える。ほとんどがいわゆる日本人ばかりだからだ。

でも、細かく見ていくと、いろんな人がいることに気づく。

裕福な家の友達もいれば、奨学金をもらいながら通っている友達もいる。

私はどちらかと言うと、裕福ではない家庭に育っているが、〇〇部に所属し、充実した活動をしている。

と、まずは自分の状況を説明しましょう。

スターの環境について説明しよう

読書感想文なので、本の世界から考えたことを広げていきます。

スターの環境をあなたと対比的に描きましょう。

 

スターはガーデン・ハイツという黒人街に住む黒人の少女。

でも、両親の意向で、地区から離れた白人が多くいる学校に通っている。
授業で使うのはマックブック。バスケット部で活躍し、白人・アジア系の友達がいる。
おまけに彼氏は白人だ。
人種の多様性に、私はアメリカを感じる。

両親の方針で黒人地区の学校に行かないという両親の選択はつまり
ガーデン・ハイツの学校に通うと、ガーデン・ハイツから一生抜け出せないことを恐れてのことだ。

ガーデン・ハイツで生活している環境をあなたの環境を意識しながら書きましょう。

 

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アメリカの社会の状況と、変えるためにできることを考えよう

スラム街は犯罪率も高く、油断できない雰囲気があります。良い雰囲気・悪い雰囲気それぞれ、地域の人たちが作り上げたものですが、できた雰囲気を変えるのは難しいので、スターの家族が取った行動は納得できることを書きましょう。

ガーデン・ハイツはドラッグが蔓延し、退廃的な雰囲気が漂っている。

スターたち、カーター家の子どもたちはガーデン・ハイツに住みながらも、白人地区の学校に通っている。
両親は、子どもたちがガーデン・ハイツに「染まる」ことを恐れたからだ。

家族はさらに、ハイツから離れた地区に家を構える。
それは、ある意味逃げたと言えるかもしれないが、環境を変えるためにはとても有効な行動だったと私は考えている。

引っ越さずにガーデン・ハイツの雰囲気を変えようと努力していたスターの父、マーベリックの気持ちも分かります。

でも引っ越すことで安全・安心を手に入れたがっていた母の気持ちにも、共感できるといいですね。

 

雰囲気を変えることの難しさを自分の経験をもとに書こう

具体的な経験をもとに、出来上がった雰囲気を変えることが難しいことを考えましょう。

同じことは、学校スターはの雰囲気や校風にも言えることなので、学校のムードを例に挙げてもよいでしょう。

地域性とか、校風というのはどこにでもある。
私の住む地域はいわゆる下町で、近隣の人とのあいさつが当たり前だ。

通っている高校は「文武両道」が売りで、どんな活動にも全力に取り組む雰囲気がある。
私がこの学校に通うのは、何事にも全力で取り組む先輩や先生方がいると言う理由からだ。

お陰で、私も色々なことを楽しみながら充実した生活を送ることができている。この雰囲気を変えていくのは、なかなか難しいだろう。

自分の置かれた環境の伝統・文化に目を向け、作りあげられてきたものについて思いをはせましょう。

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あきらめず、挑戦することの大切さを訴えよう

できている雰囲気を変えるのは確かに難しいのですが、長い目で見ると、色々なものが変化しているのは事実です。だからこそ、変えていく努力を続けることの大切さを訴えましょう。

伝統は作りあげられてきたものだ。
でも、伝統の担い手は変化していく。
それぞれの人たちの考えは違っているので、だからこそ少しずつ変化はしていく。

ガーデン・ハイツの雰囲気も、時間の経過とともに変化していくのは間違いない。
実際、アメリカでの黒人の活躍は目覚ましい。
黒人のオバマさんが大統領を務めたし、2019年度のアメリカの3大ミスコンテストのグランプリは全員黒人だった。

アメリカの社会状況は、全体としては融和は進んでいるのだと思う。
それは、権利を求めて訴えた人々の努力が生んだ成果だと私は思う。

社会は変えていくことができると言うことを歴史の流れを意識しながらまとめましょう。

 

スターの決意に負けない自分の決意を書いて終わろう

最後のまとめを、スターの行動を引用しながらしましょう。そして、自分の決意も書きましょう。

スターはカリルの正義のために立ちあがった。
口をつぐまない決意をした。
訴え続けることは、社会を変えるための大きな力だ。

私は日本に住み、普通の高校に通っている生徒にすぎない。
でも、よりよい世界を作っていくために、私にできることを少しずつでも、口をつぐむことなくしていきたいと、この本を読んで改めて思った。

実際に「こんなことをしていきたい、こんな世の中を作っていきたい」という、あなたの思いがあると、力強いまとめになりますよ。

 

「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」の筆者について

作者はアンジー・トーマスさんで、アメリカ・ミシシッピ州ジャクソン在住の元ラッパーです。

ラッパーだけあり、作品の中にはたくさんのラップの曲やヒップホップのダンスが出てきます。

ラップは黒人の生みだした反抗・反体制の音楽ですが、作品を通してその思いが伝わってきますよ。

 

上にも述べましたが「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ」はアメリカでは映画にもなっています。

残念ながら日本で公開されていませんが、映画もとても良い作品に仕上がっているようです。

機会があればぜひ見てみたいですね。

 

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!

 

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