
海外の日本人学校の仕事内容とは?
日本人学校の先生は文科省から派遣され、基本3年間勤務します。
ここでは仕事内容と、なぜ3年なのか、文科省の考え方を説明した上で
1年ごとに仕事の内容が変わる3年間の流れを
自分の体験を交えながら紹介します。
日本人学校派遣はなぜ3年勤務?文部科学省の考え方
海外の日本人学校に派遣される先生の勤務年数が、なぜ3年なのか…
まずは文科省の方針をお伝えします。
実は、現実の派遣期間の基本は3年間なのですが
文科省は派遣期間を2年+1年に設定しています。
2年+1年になっている理由は、
もし日本人学校の環境に適応できなければ、2年で帰国できるように配慮している為です。
ただ、教員派遣のリズムとしてはやはり派遣される教員だれもが
3年サイクルで勤め上げる方が、引き継ぎという面でベターです。
毎年同じ数の教員が入れかわる方がスムーズですからね。
(※実際に勤務している先生方の仕事にしわ寄せが来ます。)
ということで、3年間勤め上げるとして、次に1年ごとのお仕事を説明していきますね。
日本人学校勤務1年目の仕事内容と生活
では日本人学校勤務1年目のお仕事についてお話します。
1年目1学期の仕事内容
現地についてすぐに日本人学校への勤務が始まるので
先輩教員に送迎をしてもらうこともあります。
授業については日本にいた時と、そんなに変わりありません。
授業以外の業務分担も、主に校内に関するものを割り当ててもらえます。
ぼくの場合は校内の安全点検などでした。
1年目1学期の生活
海外なので当たり前ですが、生活環境の違いは大きいです!
学校の外は日本語の通じない世界。
まずは外国で生活することに慣れないといけません。
先輩の先生に案内されて現地での生活の仕方を教えてもらいます。
- スーパーや市場での買い物の仕方
- レストランでのマナー
- 現地での常識
- バスや鉄道の使い方
などを教えてもらいます。
まさに手とり足とり、色々教えてもらって現地での生活リズムを身につけていきます。
バタバタしているうちに、すぐに数カ月が経過します。
2学期の仕事内容と生活
日本人学校勤務も海外での生活も、2学期頃になると、軌道に乗ってきます。
生活リズムができてくるわけですね。
3学期の仕事内容と生活
3学期には、次の年に新しく赴任する先生の準備を担当します。
住居を決めたり、メールで新しく赴任する先生にアドバイスしたりと
自分の経験を来られる先生に伝えます。
ぼくが赴任した国には日系の不動産屋さんがあり
色々なマンションを紹介してもらい、新しく来られる先生と相談しながら決めました。
そして、日本人学校1年目の最後の仕事は
新しく来る先生を空港で迎えることです。
日本人学校勤務2年目の仕事内容と生活
2年目は1年目のお世話+現地とのつながりを深める時期です。
2年目の仕事内容
最初のお仕事は、1年目の先生のお世話です。
空港での出迎えから始まり、住居での生活の仕方を手とり足とり教えます。
1年目の初めに、自分が先輩からしていただいたことを
今度は後輩にしてあげる、ということですね。
他には、校内の役割分担も学校外との折衝など、責任ある業務を任せられるようになります。
学校の親睦会担当をする先生も多いです。
現地のレストランや宴会場を予約し、歓迎会や行事ごとの打ち上げを企画します。
なじみの店だけではなく、新規開拓するのも大変ですが楽しいですよ。
2年目は仕事に対しても生活に対しても、自信を持って取り組めるようになっていくのです。
2年目の生活
プライベートでも、現地の人とのつながりもできたりして、
充実の日々を過ごせる時期です。
ぼくの場合は、趣味がテニスだったので
現地のスクールに通って練習したり、日本人会のテニス大会の企画運営をしたりと
とても楽しい日々を過ごしました。
その上、プライベートのつながりは帰国後も続き、
職業を越えたネットワークが人生を考える上でとても刺激になっています。
日本人学校勤務3年目の仕事内容と生活
3年目は、日本人学校の中で、一番勤務の長い先生という立場でもありますね。
さてその仕事内容と生活は…
3年目の仕事内容
日本人学校3年目の仕事内容は、主に学校運営です。
普通は3年目が最後の1年なので先生によっては、教務主任を任されます。
教頭のいない学校なら、ナンバー2ですからね。
時数管理をしたり、学校での集会の司会をしたり、職員会の資料の準備などをして
学校運営の中心となって働きます。
それはもう充実の日々ですよ。
自分が積み上げてきた経験を存分に生かし、
日本人学校の主軸として、活躍します。
そして、気づくと3年目もいつの間にか後半に入り、
帰国まで数カ月になっています!
1・2年目の教員に引き継ぎを済ませたら、すぐに帰国です。
え、もう!?と思うこと間違いなし。
きっと、たくさんの送別会を催してもらえることでしょう。
3年目の生活
日本人学校3年目の生活は、「この国での最後の1年なんだ。」と思うと
なかなか感慨深い日々だったように思います。
日本で待っていてくれる方々へのお土産の準備や
引っ越しのことなど、早めに考えておくと良いですね。
持ち帰れないものは、後輩に寄付したり、現地の人にプレゼントするなど
帰国にむけて準備をします。
ぼくは大満足の思い出と共に、帰国の途につきました。
長旅の末、ようやく日本に帰国したとき
成田空港にある「おかえりなさい」のメッセージに、涙が出そうになりました。
帰国後の流れ
帰国するのは大体3月中旬です。
帰国してから4月までは、今度は日本の生活リズムに戻す期間です。
住民票を住所に戻すなどの各種手続きを済ませ
新たに勤務する学校への準備を進めます。
そして、再び日本の学校の先生として、仕事をしていくことになります。
日本では得られない経験を積んで、1まわりも2まわりも成長した自分を実感できることでしょう!
最後に
経験者でなければ知らない日本人学校での3年間の流れ、少しでもイメージしていただけましたか?
派遣される前の先生は、期待もあれば不安もあると思いますが
不安が少しでも解消されたら嬉しいです。
そして、もし派遣を迷っているのであれば、
是非挑戦してほしいです!
日本人学校での経験は、他では得られない貴重なものです。
人生は一回きり。
やってみたい事、やってみましょうよ。
挑戦するあなたを応援しています!
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