
小学校高学年(5~6年生)向けの本、『霧のなかの白い』のあらすじと読書感想文を書く時のヒントやテーマを紹介します。
この『霧のなかの白い』は、イギリスに住む少女の物語です。大人が読んでも良いような、色々考えさせられる本です。
いろんな書き方がありますが、迷った時に参考にして下さい。
「霧のなかの白い犬」の作者と登場人物
- 著者:アン・ブース
- 訳・・・・・・杉田 七重
- 絵・・・・・・橋 賢亀
主な登場人物
ジェシー(主人公)
運動はあまり得意ではなく、どちらかと言うと内気でもじもじした女の子。
この女の子の語りで物語は進んでいく。
おばあちゃん
ジェシーとフランの祖母。この物語のキーパーソン。
認知症が進みつつあり、その過去がこの物語のクライマックスで明らかになる。
ケイト
ジェシーの親友。下半身は動かないがシッティング・バレーで地域の代表選手に選ばれるなど、運動神経がとても良く、正義感も強い。
フラン
ジェシーのいとこ。
家庭の事情で寄宿舎制の学校から、ジェシーのいる学校に転校してきた。
賢いが、素行の良くない友達と一緒に行動している。
ベン
数か月前にジェシーの通う学校に転校してきた、ユーモアのセンスがある男の子。
ミリアム・レヴィ
ベンのお祖母さん。
幼いころドイツに住んでいたが、アメリカにわたって獣医になった。
ユダヤ人。
「霧のなかの白い犬」主なあらすじと読書感想文に役立つテーマ
イギリスに住むジェシーは、事情があって母親と二人暮らし。
最近転入生のベンと仲良くなったと同時に、ジェシーのおばあさんの様子が、何かに怯えているようで・・・
ジェシーのおばあさんが怯える訳・おばあさんの過去に一体何があったのかが、次第に明らかになっていく。
感想文の題材として扱えそうなテーマがいくつかあります。
例えば…
ホロコーストについて
ユダヤ人が劣悪人種だとして、ヒトラーがたくさんの人の命を奪ってしまったことや、同時に身体障害者やお年寄りもコスト(お金の無駄遣い)のために排除しようとする考え方について、どう思うかを調べて書いてみよう。
あなたは、認知症の人や体に障害のある人にお金をかけることは必要だと考えますか?
必要ないと考える人は、あなたの身近な人(お父さん・お母さんなど)が認知症だったり、体に障害があったりした時、どうしますか?
移民の問題
この物語には、イギリスに出稼ぎにきたポーランド人が出てきます。
外国語を使って集団で行動する様子が、主人公にとっては気味が悪いのですが、実は主人公の父親も仕事はフランスでやっているし、友だちのベンもアメリカからの移民です。
地域に住む外国人は日本にも増えてきているので、そういう外国人との付き合い方を、ナチスの「排除の思想」と比べながら書いてみても良いかもしれません。
認知症の問題
日本は高齢化社会と言われていて、実はお年寄りがたくさんいます。
認知症について調べ、物語のおばあさんと比べてみて、自分はどう行動すべきか考えても良いかもしれません。
認知症の人たちは、幼いころの記憶は結構残っていて、それが現在とごちゃごちゃになってしまうそうですよ。
「霧のなかの白い犬」読書感想文のコツやポイント
たいてい読書感想文は
- 主人公の考え方と自分の考え方を比べること
- 「自分だったら、こうする!こう考える!」
というのが基本のコツです。
そしてこの「霧のなかの白い犬」は、物語の中に
- 「人間の失敗」
- 「人間の醜さ」
- 「人間の幼さ」
がてんこ盛りです。
日本の小学生にとって、この本の舞台はイギリスだし、戦争やナチスなんて身近になくて、比べるのが難しいですよね。
でも人種差別や障害者差別は、日本にいてもたくさん見かけます。
ヘイトスピーチのことを調べたり、日本人がやりがちな差別を調べると、ナチスや移民問題が理解しやすくなると思います。
世界がより良くなるって本当に難しいことですね。
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