
中学校になると、算数は数学にグレードアップします。
数の世界が大きく広がる中1で「なぜマイナスにマイナスをかけたらプラスになるのか」を悩む人はたくさんいます。
ぼく自身もその1人でした。
「-と-でプラス!そういう決まりだから」覚えるしかない…と納得しないままでは学習は深まりませんよね。
そこで、マイナスとマイナスでプラスになる理由を、具体的な例でイメージできるようにしていきます。
※「やり方」だけチェックしたい方は例題をご覧ください。
小学校の算数と中学校からの数学
小学校の算数と中学校からの数学。その一番の違いはマイナスの世界が中学校から始まることです。
小学校の算数では、引き算はありますが、計算の結果がマイナス(0より小さい数)になる式は出てきません。
ただ、理科で温度を扱う時にはマイナスは出てきますし、借金がマイナスだとは、多くの小学生は知っています。
でも、算数ではマイナスは出てこないのです。
そして中学入学後、最初の単元でマイナスの世界を学びます。
中1数学の最初の単元、「式と計算」のルールで混乱するのが(-)×(-)=(+)についてです。
今回は、そこを「見える化」してみようと思います。
ここでは単純な足し算「-(-)→+」の場面を「見える化」します。
数直線で「見える化」
数を「見える化」する方法は色々ありますが、僕には、数直線であらわす方法が分かりやすいです。
そこで、今回は数直線で説明します。
数直線は小学校でも学習しているので、小学校卒業したばかりの生徒にもきっと分かりやすいはずです。
ポイントは、マイナスをどう解釈するかということです。
「-(-)→+」となるのですが、カッコの外側と、カッコの内側で、別の動き方を想像しましょう。
まず、数直線上を走る車をイメージします。
カッコの外側のプラスとマイナスは車の向きを表します。
プラスは+の方向を、マイナスは-の方向を向いているということを意味します。
ではカッコの中は何かというと、その車が進む方向を意味します。
つまり、
- +だと「前に進め」
- ーだと「後ろに進め」
ということですね~
これを組み合わせた計算を、次の例題では扱ってみましょう!
例題
実際に解いてみましょう!
いきなり-(-)では、混乱するかもしれませんので、小学校レベルの+(+)から4パターンを例題で解説します。
(1) 3+(+5)
上の項で説明した言葉を当てはめていくと、この式は以下のようになります。
「3+(+5)=3の地点から、プラス方向を向き、前に5進め」
つまり、3から5進む訳なので、答えは8です。
(2) 3-(+5)
この式は以下のように読みます。
「3-(+5)=3の地点から、マイナス方向を向き、前に5進め」
マイナス方向を向き、そちらに向かって5進む、ということは、結果的に-2に移動することになりますね。
(3) 3+(-5)
この式は以下のように読みます。
「3+(-5)=3の地点から、プラス方向を向き、5下がれ」
今度は、プラスの方を向いているけれど、5下がる、ということは、結果的に-2に移動することになります。
(4) 3-(-5)
さて、本題のこの式ですが、上と同じように読んでみます。
「3-(-5)=3の地点から、マイナス方向を向き、5下がれ」
マイナス方向を向きつつ、下がるということは、結果的にはプラスの方に向かうということで、答えは8になる訳です。
まとめ
-(-)はなぜ+なのかが、上の例で納得してもらえたら幸いです。
計算するだけなら、たくさん問題を解くうちに、作業として頭の中で自動化されて、「当たり前」になっていきます。
でも、最初はやはり戸惑う子が多いのではないでしょうか。
そんな戸惑う人たちが、この説明で少しでも悩みが解決したら嬉しいです。
悩みをなくして、スッキリした頭で学習すると、きっとはかどりますよ。