「拝啓パクンクスノットデッドさま」読書感想文の書き方アイデア・あなたを支えるモノについて語ろう!
読書感想文対象学年・おすすめ学年

小学校高学年から高校生。

この記事では、「拝啓パンクスノットデッドさま」(石川宏千花著・くもん出版)で読書感想文を書くときのアイデアと流れの例をまとめています。

主人公の感情・環境に共感できると、きっと良い読書感想文に仕上がりますよ!

主人公は高校生です。
そしてバンド活動をしている大学生も出てきます。

高校生には自分の環境と比べながら感想文が書けるので、感想文は書きやすいはずです。

小学校高学年や中学生にとっても、ちょっと先の世界が見えるという意味でいいですよ

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▶︎一言あらすじ

▶︎登場人物

▶︎感想文の例

▶︎感想文のアイデア・テーマ

【拝啓パンクスノットデッドさま】ひとことあらすじ

あらすじを一言で言うと?

複雑な家庭の事情を持つ主人公が、1回限りのバンド活動でライブに参加するお話。

と一言で書いてしまうと簡単な物語に感じます。

でも、主人公の家庭環境や、たくさんの登場人物が、それぞれの悩みを抱えていて、読み応えのある作品なんです。

著者について

作者は石川宏千花さん。女子美術大学美術学部卒業の児童文学作家さんです。著書多数。

絶対パンクロック好きですよ。メジャーなものからマイナーなものまでこの物語の中で扱われています。

【拝啓パンクスノットデッドさま】主な登場人物・場所

読書感想文の下準備として、主な登場人物をまとめておきましょう。

主人公:夏目 晴己(なつめ はるみ)

わりと成績が良い子の通う高校に通う1年生男子。

弟と2人暮らし。

生活費の不安から、2つのバイトを掛け持ちしている。

父親は不在。母親もほかのところで住み込みで生活しているためか、生活費を持ってくる数か月に1度ぐらいしか会わない。

晴己たちを実質的に世話をしているのは、母親のことを好きな「しんちゃん」。

しんちゃんの影響で晴己兄弟はパンクロックに傾倒しており、晴己はベースが弾ける。

主人公:夏目 右哉(なつめ みぎや)

晴己の弟。中2。

生活のほとんどは晴己に任せてしまっている。

でも実は、晴己の心の支えでもある。

右哉もパンクロック命で、ヴォーカルができる。

歌詞作りのトレーニングをフセンに毎日書きつけている。

ギターを背負う大学生:羽田 鳴海(はだ なるみ)

大学1年生。女子。無口。

ボッチだった高校時代と決別すべく、常にギターをもって行動している。

しかしやっぱり、なかなか自分の殻は破れずにいる。

登場人物はまだまだたくさんいます。

そしてそれぞれが意外な一面を持っており、誰を取り上げてもいい感想文が書けそうですよ。

【拝啓パンクスノットデッドさま】感想文のアイデア・テーマ

テーマは「あなたを支えているもの」で考えてみてはどうでしょう。

ただ漫然と生きているつもりでも、誰かの支えがあってこそなんですよね。

その支えが、家族なのか、それ以外のだれかなのか、はたまた何かなのかは、人それぞれですけれど。

感想文アイデア

・晴己にとってパンクロックとはどういう存在か。

・「擬態」しながら生きているということはどういうことか。

・自分には「これだ!」と言えるような強い趣味などのこだわりがあるか。

晴己には、パンクロックがありました。

物語に出てくる加藤さんと前田さんにはラップがあります。

あなたはどうでしょう。あなた自身が打ち込んでいることがあれば、熱中していることについて熱く語り、読書感想文に仕上げられますよ。

【拝啓パンクスノットデッドさま】読書感想文の例

では、僕ならこんな流れにするかな…という例を書いていきます。自分自身の場合を考え、あなたオリジナルの感想文に仕上げてくださいね。

自分の熱中していることを語る!

まずは、自分が熱中していることを熱く語りましょう。

好きなことを語ると、文章は熱を持ち、読み手を引き付けます。

自分の趣味や打ち込んでいることについての魅力を存分に伝えてください。

僕はロックも好きですが、個人的にはスポーツが好きなので以下のような例を考えてみました。

あなた自身の趣味を当てはめて書いてみてくださいね。

僕は、学校の部活でテニスをしている。エースというわけではないが、何とか試合に出させてもらっているレベルだ。ただ、熱意ではだれにも負けないと思っている。取れそうもない球にも全力を出し、チャンスボールを決めることができた時には、最高の気分になる。

練習は正直とてもきつい。でも、そのきつさを乗り越えたところにある喜びがあることを僕は知っている。だから、テニスを続けている。テニスをするために、僕は生きていると言っても過言ではない。

と、自分が熱中していることを語りましょう。充実した部活動をしている人はあなたの部活について、スマホのゲームでもあなたを突き動かす何かがあることを述べましょう。熱意は読者に気っと伝わります。

晴己の「パンクロック命」に共感する!

次は、晴己がパンクロックに傾倒していることに共感しましょう。

晴己はとんでもない家庭環境で生きています。

父は誰かわからないし、母も基本家にいない。

現実なら、とっくに児童相談所に保護されてるでしょうが、

厳しい家庭環境だからこそ、パンクロックが心の支えになっていることに共感しましょう。

あなたの生きている環境と比べ、

想像してもいいかもしれませんね。

例えば…。

ただ、ぼくのテニス熱は晴己にとってのパンクロックほどではない…とも思う。その意味が全然違うからだ。

晴己にとって、パンクロックはかけがえのないものだ。晴己が担当するのはベース。バンドの屋台骨を支える重要な楽器だ。

彼は、ベースを練習する時間だけは、現実を忘れることができる。音楽に没頭することで、一瞬だけかもしれないけれど大変な日常を吹き飛ばしてくれる。

僕は、日常を忘れたいと思うような環境にはないけれど、パンクロックが心の支えになっている晴己の心境はよくわかる。

と、パンクロックが常に心の中に流れている晴己に共感しましょう。

擬態して生きるということを考えよう

ロック命の晴己ですが、実際の高校生活では、ベースが弾けることなんか誰も知りません。

アルバイトを二つ掛け持ちしていることも。

大変な生活だけれど、悟られないように生きています。

ほかの登場人物も。

あなたも擬態して生きているという一面はきっとあるでしょう。

あなたの周りの人たちも。

誰もが、自分を演じている側面があるということに、気づいたということをまとめましょう。

例えば…。

晴己の生活は、自分が想像できないくらい大変だ。母親は別のところで暮らしていて、父親はいない。生活費もたまに母が持って切れくれるが金額的にはカツカツだ。だから晴己は弟の世話もしながらアルバイトを二つ掛け持ちし、進学校に通っている。でも、そんな大変さを晴己は学校では感じさせないように「擬態」して生活している。

考えてみれば、晴己ほどではないにしても、誰もがある程度「擬態」して生きている。それは自分を守るためでもあるし、演じる必要があるためでもある。

「かわいそうな奴」とか、レッテルを張られるのを、晴己は避けている。僕はどうだろう。ぼくは「弱虫」に見られたくないからこそ、熱血テニス少年を演じているのかもしれない。きっと、誰もが他人に見せる自分を演じている部分はあると思う。

と、パンクロックが常に心の中に流れている晴己に共感しましょう。

あなた自身の生活を振り返り、まとめよう

さて、あなた自身のことを晴己と比べながら深く語っていきましょう。

晴己の生活はとてもハードですが、不幸な印象をあまり受けませんよね。

晴己が、置かれた環境の中で全力で、前向きに生きているからこそ、悲観的な感じがしないんですよね。

環境はもちろん大切ですが、心の持ち方もとても大切だということに、思いが至るとよいでしょう。

あなた自身が、置かれている環境・立場と自分の心の持ち方について語り、感想文を締めくくってはいかがでしょうか。

例えばこんな感じで…。

晴己は幸せだろうか。

生活はハードで、ゆっくりする暇もない。

ベースだって、満足に練習する時間だってない。

でも、パンクロックが頭の中にあることで、不安定な日常を超えていけている。

自分はどうだろう。

朝、親に起こされ、車で送られ、入学後、買ってもらったラケットを使い、

下校するときにファーストフードを食べている僕は、このままの生き方でよいのだろうか。

だれもが、擬態して生きていて、普段の生活の後ろに、様々な苦労や悩みを抱えて生きている。

僕はどうだろう。

僕はすべてのことに対して、表面しか見られていないかもしれない。

そして、自分自身には大した悩みもなく、のうのうと生きている。

それは実は、とてつもなく、幸せなことかもしれない。

僕も近い将来、進路を決めるなど、様々な節目に、大事な選択をしていくだろう。

大事な節目で、自分を支えてくれるのは、最後は自分自身だ。

でも、自分を支えてくれるものの存在はとても大切で、重要だと思う。

晴己にとってのパンクロックのように、自分の芯になるものを、

僕も作っていこうと思う。

きっとそれが、僕を支えてくれるから。

と、自分も前向きに生きていこうという気持ちになったことをまとめ、読書感想文を終わりましょう。

最後に

小説の設定って、現実にはあり得なさそうなものがありますよね。

でも、特異な設定で、日常を問い直すことができる…という意味で、有効です。

拝啓パンクスノットデッドさま

のシチュエーションも、現実にはなかなかないでしょうけれど、普段自分がどんな環境で生きているのかを、振り返るのによい題材ですね。

読書感想文の例を参考に、あなた自身の考えを織り込んで、オリジナルの作品を完成させてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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