
「きみ、なにがすき?」というお話のあらすじと感想文の書き方を紹介します。
人がよろこぶことをしてあげたいのは
いいことだけれども、
自分も相手もよろこぶためにはどうしたらいいかな?
と、低学年の子供に考えさせることのできる良い本でした!
ちょっと深い内容で、読書感想文にお勧めです。
「きみ、なにがすき?」って、どんなお話?
「きみ、なにがすき?」は、はせがわさとみさんの作品で、2018年の低学年の読書感想文課題図書です。
作者はどんな人?
はせがわさとみ(長谷川里美)さんは1980年静岡生まれの絵本作家さんです。
「のはらでまたね」や「こうくんとちいさなゆきだるま」などの作品があります。
もともとコピーライターをされていたそうです!
だから、文章にキレがあるんですね~。
物事を普通と違う角度から見る癖が、作品づくりに生きているようで、
「きみ、なにがすき?」にも発想の転換を感じさせるお話になっています。
登場人物
あなぐま
森の奥の家に1人で住んでいます。
庭に畑を作り、友だちの喜ぶ作物を育てようと計画しますが、
友だちは自分の好きな食べ物は自分で作っているので、
不機嫌になってしまいます。
でも、発想の転換で最後は大成功します。
こぶた
じゃがいもが大好き。
たくさん取れたじゃがいもを、あなぐまに分けてあげます。
りす
りんごが大好き。
家の裏庭に、リンゴの木があります。
うさぎ
にんじんが大好き。
広大なにんじん畑を持っています。
はりねずみ
きいちごが大好き。
きいちごがたくさんとれる、ひみつの場所を知っています。
「きみ、なにがすき?」のあらすじ
主人公・あなぐまは、いつも友達が喜ぶことを考えています。
自分の畑で作るものすら、自分の食べたいものではなく、友達の食べたいものを作ろうとします。
でも友達は皆んな、そもそも自分の好きなものなんて自分で作っていて・・・
あなぐまは、自分がどうしたら良いのかわからなくなってしまうのです。
あなぐま、良い人だけど幸せ感の薄い人の象徴?
畑で自分の食べたいものを作るのではなく
友達の喜ぶものを作りたいなんてね。
それはそれで素晴らしいですが、なんて生きづらい生き方でしょう。
あなぐまのような生き方では
自分も友達も幸せに生きることはできません。
物語を通して、自然に「お互いが幸せになる生き方ってなんだろう?」って考えることができます。
ハリネズミくんのアドバイスも、なかなか胸に刺さります。
結局は、友達だけじゃなくて自分の幸せにも、しっかり目を向けないとね…
読書感想文のヒント
短いけれど、考えさせられるいい話ですね。
ただ単純に人が好きなものをプレゼントするのもいいけれど、
みんなの願いと自分の願いを合わせたら、もっといいものができることを
自分の知っている例を出しながらまとめるといいですね。
合わせる・まとめる・組み合わせる、ということを
低学年で考えられると、とてもかしこく見えますよね。
ポイント
あなぐまのしたことと、自分の経験を比べて書きましょう。
比べることで、伝えたいことが、よりはっきりします!
こんな風に書いてみてはどうでしょう
①自分が何かをプレゼントした経験を書きましょう。
家の人や友だちにプレゼントしたエピソードを書きましょう。
何をプレゼントしましたか?
だれにプレゼントしましたか?
プレゼントは喜ばれましたか?
その中でも、本当に喜ばれたかどうかを書いて下さい。
実は、プレゼントって、もらってうれしいものもあれば
もらってどうしたらいいかなぁと思うものもあるからです。
自分がプレゼントしたものは、プレゼントした後、どうなったかを書きましょう!
②あなぐまくんのプレゼントについて考えましょう。
あなぐまは、最初は、みんなが単純に好きなものを作ろうとしました。
じゃがいも・りんご・にんじん・きいちごでしたが、
もう友だちは持っています。
そうなんです。
すでに相手が持っているものはプレゼントとしてはあまり喜ばれませんよね。
そこで、あなぐまくんは自分が何を望んでいるかを考えました。
みんなの好きなものはあったけど集まれる場所はなかったので、
あなぐまくんの作ったテーブルといすは大かつやくです。
③あなぐまくんが成功した理由を考えましょう。
あなぐまくんが考えて作ったテーブルといすは役に立ちました。
成功した理由はみんなのつくった物を集めて楽しくお話できる場所を作ったからです。
みんなが集まっておしゃべりできることで、
あなぐまくんの「みんながよろこぶ顔を見たい」という願いはかなうし、
みんなが作った物を持ち寄れるのでみんなが楽しめます。
みんなの持っている物と、自分のねがいを足し合わせて
みんなが集まって楽しくおしゃべりできる場所ができたのです。
④自分がこれからどうしていきたいかを書きましょう。
今まで自分が人にプレゼントをした時の気持ちを思い出して書きましょう。
プレゼントを渡した時、相手が喜んだことも改めて書きましょう。
そして、あなぐまが作った物と、あなたのプレゼントのちがいを考えましょう。
自分のあげたプレゼントは、1回きりのものだけど、
あなぐまは、ずっと楽しめる場所を作ったので、
これからも、みんなの笑顔が見れるでしょう。
ずっと楽しめるものを、自分も作ってみたいです。
と書いて、作文を仕上げましょう。
さいごに
あなぐま的な考え方って、とても重要で、
これからの世の中でも大切なことですね。
「もの」はあふれるほどあるので、どう生かすか
をあなぐまは考えたのです。
つなげて作る発想で世の中に貢献した人はたくさんいます。
石油採掘の「元締め」となり巨万の富を築いたロックフェラーとか、
既存のテクノロジーを組み合わせてiphoneを作ったスティーブ・ジョブズとか。
組み合わせたりつなげたりする発想を意識して
あなたの書く感想文も大成功することを願っています!