
「平和のバトン」(弓狩匡純著・くもん出版)の対象は中学生です。
※2020年の読書感想文課題図書(中学生)
ここでは「平和のバトン(弓狩匡純著・くもん出版)」を読んだけど、どんな風に読書感想文を書いたら良いのかわからない!
そんな方へ向けて、読書感想文の書き方の例とアイデアをまとめています。
「平和のバトン」の舞台は広島。原爆を経験した人たちの記憶を高校生が絵にするプロジェクトが描かれています。
記憶を記録に残すことの意味について考え、
あなたなりの読書感想文にまとめましょう!
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【平和のバトン】ひとことあらすじ
原爆を経験した方と高校生が協力して原爆投下前後の広島の様子を絵にあらわす『次世代と描く原爆の絵』プロジェクトの過程を描いたノンフィクション。
証言をもとにどのように描くのかを高校生が考え、仕上げていく過程に、いろんな意味を感じます。
【平和のバトン】主な登場人物・場所
被爆経験者:複数
広島で原爆を経験し、奇跡的に生き残ることのできた人々です。
目を覆うような惨状を、若い世代に伝えます。
基町高校の元高校生:複数
基町高校で「原爆を絵にする」プロジェクトに参加した元高校生たち。
被爆者の話をたくさん聞き、様々な場面を絵に仕上げます。
【平和のバトン】感想文のアイデア・テーマ
原爆って、遠い歴史上の出来事だと感じていませんか?
でも、実際に経験した人たちは生きていて、その人たちのリアルなお話をきくことがあと少しだけは可能です。
被爆した人たちのメッセージを若い人(高校生)が聞き取り、絵にする作業は、
記憶の伝承
という意味でとても意味のあるものだと感じます。
被爆者にとって、高校生にとって、どんな意味があるのかを考えてみてはどうでしょう。
・高校生が証言を絵にする意味を考える。
・今の日本が平和を保てているのは、たくさんの人々の努力のたまものであることを訴える。
・原爆について調べ、客観的に述べるとともに、経験者の体験から、戦争は二度と起こすべきではないことを述べる。
・風化していく記憶を残していく大切さを考え、原爆で起こったことを人々は忘れてはならないことを主張する。
・原爆は大変な出来事としてとらえるとともに、自分の近親者の戦争についての経験を聞き取り、現在の平和について考える。
大切なのは、戦争体験をどれだけ「自分事」にできるかですよ。
もし、近しい人で戦争を経験した人がいればインタビューしましょう。
生の経験を聞くのは、本を読むより、映像を見るより、説得力がありますよ。
【平和のバトン】読書感想文の例
では、僕ならこんな流れでいくかな…という例を書いていきます。
参考になれば幸いです。
原爆について知っていること・調べたことをまとめる
まずは、客観的事実をいくつかまとめましょう。
数字を挙げることで、被害の大きさがわかります。
例えば…。
「リトル・ボーイ」。広島に落とされた原子力爆弾。
たった一発で、地上は、地獄と化した。
投下の一瞬で亡くなった人2万人以上。
奇跡的に生き残った人も、放射能の影響でその年のうちに何万人も亡くなったり、
生き延びた人たちも原爆症を背負ったりと、大変な苦労を強いられる。
まさに、非人道的な最終兵器だ。
数字の一つ一つに人生があり、それぞれがかけがえのないものだったことを語る
数字は、スケールの大きさを感じさせますが、あくまで数字。
実は、その一つ一つに大変なドラマがあることを綴りましょう。
例えば…。
数字の大きさは、規模の大きさを意味している。
数字の大きさに私たちは驚くが、その数字の一つ一つに意味があることを忘れてはいけない。
「次世代と描く原爆の絵」プロジェクトはそのことを思い知らせてくれる。
被爆者の証言を聞きながら高校生が仕上げた絵にとても迫力があるのは、描く人の魂が入っているからだ。
数字の大きさ以上に、一つ一つの人生について見つめることの大切さを訴えましょう。
証言を高校生が聞き取ることの意味について考える。
記憶を記録するということだけではなく、
高校生が記録する意味を考えましょう。
本人ではなく、若い世代が聞き取り、作品にすることで、
記憶が伝承され、平和の尊さをさらに次の世代に色濃く伝えることができます。
若者が次の平和の伝道者になりうることを、まとめていきましょう。
例えば…。
原爆の記憶を証言者ではなく、高校生が描くプロジェクトがあることを、僕はこの本を読んで初めて知った。
ぼくは、被爆者自身が描くのではなく、高校生が描くということに、意味があることを感じた。
被爆者自身が描く絵も貴重だけれど、
高校生が聞いて描くことは、描いた高校生が平和を伝える存在になれると思うからだ。
証言を克明に聞き取ることで、彼らは現場をリアルに想像できる。
そして、想像しながら絵に描いたことを、誰かに伝えることができる。
直接の経験者は高齢となり、間もなく聞き取ることはできなくなるけれど、
聞き取った高校生は、証言をリアルに伝えることができる。
つまり、平和の尊さを伝える人が存在し続けることになる。
現在の平和を未来へつなげるためにできることを考ええる。
今度はあなた自身の経験を考えましょう。
あなた自身の平和に対する意識を考え、どのように生きていくのかを述べましょう。
読書を通してあなたの世界観が変わったことを訴えることができれば
最高の読書感想文になりますよ。
例えば…。
今、ぼくはここに生きている。
それは、ぼくにつながる人がいるからだ。
ぼくは経験していないけれど、
ぼくの曽祖父母は戦争の時代を生きていた。
ぼくは今までそのことを考えたことはなかった。
今度もし、曽祖父に会えた時には、
戦争体験について聞いてみたいと思う。
そして、それを誰かに伝えたい。
それが、平和の大切さを伝えることにきっとつながると思う。
最後に
原爆を扱った書籍・映像は、ものすごくたくさんあります。
ネットを検索すれば、ショッキングな映像・画像もたくさんあります。
読書感想文を書きだす前に、それらの資料を見ることも
きっと平和について考えるための役に立ちます。
というか、作文することを通して、
あなたも平和の大切さを考え、平和を訴える存在になりましょう。
政治的視点で見るとメリットがあるかもしれませんが、
市民的視点で見ると戦争に良いところなんて一つもないですよ。
原爆を題材にした書籍は
去年も課題図書になっていました。
そちらも是非、読んでみてください。
「ある晴れた夏の朝」
という作品です。
こちらもおすすめですよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
あなたなりの考えを織り込んだ読書感想文に仕上げてください!
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