
「もうひとつの屋久島から」は2019年読書感想文課題図書(高学年)です。
島民の暮らしや観光と自然を守っていくことのバランスの難しさが書かれています。
屋久島の「現実」が良くわかり、あなたがどうしていくべきなのかを考えると言う意味で
読書感想文にするのにはとても良い本です。
ここでは、あらすじまとめと、読書感想文のテーマのアイデア、書き方の流れの例を書いています。
あなたの読書感想文作りの参考になれば幸いです。
「もうひとつの屋久島から」内容とあらすじ
自然が豊かなイメージが強い屋久島。
しかし実際は江戸時代から屋久杉の伐採という環境破壊が進んでいた。
林業と環境保護のバランスをとる難しさ、
素晴らしい自然に触れたくて、多くの観光客が訪れ、自然が破壊されていくこと。
世界のバランスをとることの難しさを感じられるお話です。
縄文杉だけではなく屋久島は魅力がたくさんあることが分かるとともに、課題もたくさんあることが分かりましたね。
屋久杉の伐採に関しては、住んでいる人がわがままで始めたことでもなく
お上の指導でハゲ山になるまで伐採したわけなので、地元の方々が本当に気の毒な話です。
観光客が自然破壊することについては、世界中で起きていることですね。
旅行者一人一人のモラルの問題でもあります。
まず世界中の人が、環境問題をしっかり学ぶ必要がありますよね。
知識がないと、間違ったことをしていても気づきませんから。
にわかアウトドア好きや、珍しいもの見たさの人間が
後のことも考えずにゴミを捨てていくことは、よくあることです。
し尿も問題も、観光客の数が多くなればなるほど
大きな問題になってきます。
洞窟探検家の吉田勝次さんは、洞窟にし尿を残さないために、ジップロックに入れたアレを頭の上に乗せてヘルメットを被って帰ってくると聞きました。
屋久島の観光では、アレを頭に乗せなくても良いですが
携帯トイレに用を足して、リュックに入れて持って帰るくらいは必要ですね。
大自然の中に入る観光は、街中の観光とは全く別物!
しっかり肝に命じておきましょう。
「もう一つの屋久島から」読書感想文のアイデア
日本の世界遺産第1号だけあって、美しい自然と、自然を守るためのドラマがありましたね。
読書感想文につながりそうな材料・テーマを考えてみました。
参考になると嬉しいです。
- 観光地のトイレ問題・ゴミ問題と自分の家や街のゴミ処理システムについて比べる。
- 自然保護と観光の両立ができるエコツアーについての良さと、これからの自分たちが取るべき態度を考える。
- 自分の思いを届け、世の中を変えることの作戦、そして自然を守ることの大切さを訴える。
自然保護と観光のバランスをとり、「持続可能」な状態をつくれると理想的ですよね。
環境庁が、屋久島の観光客の推移についてまとめています。
読んでおくと、深い内容の感想文にできますよ。
- アクセス方法が増え、観光客が増えた。
- やはり8月が観光客が多い。
- 観光客の総数は減っている。
- 外国人観光客が増加している。
等々、いろんなことが分かりますよ。
「もうひとつの屋久島から」読書感想文の流れの例
ではでは「ぼくならこんな流れで感想文を書くかな…」という流れの例をまとめていきます。
ポイントは身近な例とお話をつなげ、広げていき、再び自分を語ることです。
自分の家や、行ったことのある観光地などのゴミ事情・トイレ事情を述べる
あなた自身が生活する中で、毎日トイレを使うし、ゴミも出すことを書きましょう。
そして、ゴミの処理に無頓着だということを、正直に書きましょう。
ぼくは毎日何度も、トイレに行く。家のトイレは家の人が掃除をしてくれているので清潔で快適だ。
家にいる時も、どこかにお出かけした時も、ぼくにはトイレは欠かせない。
トイレは、だれにも必要だ。家のトイレは使う人数が少ないし、毎日掃除しながら使うし、下水道につながっているのできれいな状態でいつも使える。
でも、たくさんの人が来る観光地のトイレは、毎日たくさんの人が使うので、きれいに保つのはとても大変だ。
ぼくは、よごれたトイレは使いたくない。でも、がまんには限界があるので仕方なく使うことも多い。
できるだけ自分の経験を詳しく書くと、読む人が興味を持ってくれますよ。
屋久島のトイレ事情やゴミ事情に驚く
世界自然遺産のトイレ事情に驚きましょう。
ぼくは「もうひとつの屋久島から」を読み、山小屋のトイレが汚いことに驚いた。
くみ取り式のトイレで、タンクに移して人力で山から運びおろしている。
しかも、トイレには、し尿だけではなく、残飯やTシャツなども捨てられている。
なんてひどい・・・とぼくは思ったけれど、考えてみると、ぼくだって、トイレはゴミ捨て場のように感じている。
捨てた後のし尿やゴミがどう処分されているかということを、あまり考えたこともなかった。
自分がゴミの処理についてあまり意識していなかったことに気づいたことを書きましょう。
どのような状態が望ましいかを考える
では、し尿やゴミはどうあるべきかを屋久島の例から考えましょう。
そして、再び、普段の生活で自分にできることにつなげていきましょう。
ぼくの家のトイレは、下水道につながっている。つまり、町の下水道処理施設で、最終の処分をしてもらっている。
ゴミも同じで、ぼくが出したゴミは町のクリーンセンターに運ばれて処分される。
トイレや家の掃除をするのは自分だけれど、出たゴミを捨て、家をきれいに保つ仕組みは、町の人に支えてもらっている。
屋久島は世界自然遺産で、縄文杉は森の奥深くにあるので、ぼくたちが家で利用しているようなゴミ処理の仕組みは成り立たない。
くみ取り式のトイレだと、どうしてもし尿がたまり、処分が大変になってしまう。
大切なのは、やはり自分が出すごみは自分で処理、つまり町のゴミ処理システムが働くところまで自分で持っていくことだと思う。
一人一人が責任を持って自分のゴミを持ち運ぶことは、量的には可能だと思うし、きっとその方が自然に対する負荷も少なくなる。
ゴミ処理のシステムが機能している所までは自分で何とかしようという流れで書きましょう。
エコツアーの意味を考え、協力してできることを提案する
屋久島に限らず、エコツアーで体験すべきことを考えましょう。
縄文杉だけではなく、屋久島には「植生の垂直分布」や「ウミガメの大産卵地」など、素晴らしい自然が残されている。
豊かな自然を生かした「エコツアー」は魅力的だし、ぼくも一度は体験したい。
エコツアーでぼくは、豊かな自然を感じるだけではなく、自分が町のゴミ処理の仕組みにどれだけ頼っているかを実感したい。
実感することで、自然を守ると言うことがどういうことかを考えていきたい。
ただ、自然を楽しむのではなく、自分がどう生きていきたいかを見つめるためのエコツアーにしたい
という気持ちを乗せましょう。
これから、自分がどうしていくのかを決意する。
最後に、この本を読んで知ったこと、学んだことを、自分の行動につなげていきましょう。
屋久島の豊かな自然をぼくも一度は体験してみたい。
ただ、その手つかずの豊かな自然は、
たくさんの人の努力のおかげで保たれていることを、忘れてはならない。
自然を守りつつ、島の人々の暮らしも守ること。
持続可能な社会のために、ぼくはできることをしていきたい。
まずは自分の家のトイレをきれいに保つことと、
公共のトイレもできるだけきれいに使うことから始めていきたい。
身近な話→エコシステムの話→身近な話という流れで
あなたなりの経験を入れて読書感想文ができるといいですよ。
最後に
筆者は元新聞社のカメラマンで、世界中を見て回った経験があります。
いろんな経験をするというのは、やはり大切だなぁとぼくも思います。
この本を読んだあなたが、屋久島やエコツーリズムのことだけではなく、
自分の人生についても是非考えてみてください。
自然保護を考える本として、他にもお勧めなのは
アルピニストとして有名な野口健さんの
「あきらめないこと それが冒険だ」
というのもあります。
野口さんの人生が語られているだけではなく、
彼の努力で富士山のゴミは劇的に減ったことが分かります。
こちらもとてもお勧めです。
読書って、いいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!