
「天地ダイアリー」というちょっと不思議なタイトルの物語。
あらすじと読書感想文の書き方アイデアをまとめました。
「クラスの中で自分はどんな存在なんだろう?」と思わず考えてしまう人に、お勧めのお話でしたよ。
読書のきっかけや、読書感想文の参考になると幸いです!
「天地ダイアリー」の主な登場人物
新入学生の広葉くんを中心に、お話は進んでいきますよ。
木下広葉(きのした ひろは)
この物語の主人公の中学1年生。
田舎の小学校から、潮風町という東京湾の埋め立て地に引越し、潮風第一中学校に通うことになった。
小学校時代にクラスの中でスクールカーストの「下層」の存在となって以降
自分を守るためにずっとマスクをつけている。
趣味はネットでミュージックビデオや
アニメを見ること。
栽培委員会での活動で
少しずつ心を開いていく。
菊地玲奈(きくち れな)
広葉のクラスメイト。
ショートボブではきはき話す女の子。
間違ったことが嫌い。
小学校の頃のミニバスケットボールクラブで先輩とぶつかり、ハブられた経験がある。
広葉と同じ栽培委員会に立候補し
一緒に委員会活動をする。
工藤洋介(くどう ようすけ)
広葉のクラスメイト。
マンガやアニメが大好きで
広葉と話が合う数少ない友達。
早川勇気(はやかわ ゆうき)
広葉のクラス担任。
栽培委員会担当でもある。
教師になって3年目の大学生のような教師。
細い体型とやけに丁寧な言葉づかいから
広葉は「ヨワキー」とこっそり呼んでいる。
山田元樹(やまだ もとき)
栽培委員会の副委員長。3年生。
ごつい体格で眉毛が太いので
広葉はひそかに「ふとまゆセンパイ」と呼んでいる。
見た目はさえなくて「下層」のようだが
誰とでも話せる変え歌の好きな気のいい男。
香取鈴音(かとり すずね)
栽培委員会の委員長。3年生。
ふんわりボブで柔らかい口調。
広葉はひそかに「ほんわかせんぱい」と呼んでいる。
「天地ダイアリー」の主なあらすじとポイント
スクールカーストの考え方にとらわれて自分を出すことを恐れていた
中1の男の子が、栽培委員会で友だちや先輩とかかわる中で、自己を開いていくお話。
最初、うじうじしている主人公が、前向きに変わっていく所など、すがすがしくて良かったです。
この物語の中で、植物は完全な脇役でありつつ、悩める幼年少女たちを導いているようにも感じました。
植物は、動物のように環境から逃げる術はありません。
本来なら生き辛いような環境に植えられても、小さな植木鉢に植えられても、自分のできる最大限のことをしているようです。
単に恐怖や自分が傷つくことから逃げても、何も解決しないのです。
怖がる自分も
傷つく自分も
辛かったことも
全てを糧にして花を咲かせる植物のように
強く生きて欲しい。
と、著者は思っているかも。
「天地ダイアリー」読書感想文のヒント
うじうじしている広葉の考えが変わっていくことに共感できたなら、きっとそれがあなたの読書感想文のテーマになりますよ!
以下に、テーマになりそうな例をあげてみますね。
- 自分をさらけ出すこととの大切さを物語の中と自分のエピソードでまとめる
- スクールカーストで、自分はどこに位置するのか考え、広葉の物のとらえ方についてまとめる
- 植物にはそれぞれ適した環境があることと、人間の性格と生き方についてまとめる
人は人とかかわることで成長していくということを、自分なりの言葉でまとめると、あなたオリジナルの感想文に仕上がりますよ。
「天地ダイアリー」読書感想文の例
このように書いてみては、という流れの例を書いてみます。参考になると嬉しいです。
クラスの中での自分の立ち位置について考える
あなたがクラスやグループの中でどんな立場でいるのか、考えてみましょう。
スクールカーストで言う「上層」「中層」「下層」にこだわらなくてもいいですが、広葉の考え方でいうと、どの位置にいるのかを客観的にまとめてみるのがおすすめです。
ぼくのクラスはこんなクラスだということをまず述べます。
- 「一部の人間が牛耳っている」
- 「誰もが協力的でみんな楽しい」
- 「誰もが無関心で協力して何かをしようという気持ちがない」
など、自分のクラスの様子を俯瞰してみましょう。
そして、クラスの中で自分はどのようにふるまっているかを考えます。
広葉の経験と「マスク」の意味についてまとめる
広葉がつけている「マスク」について共感しましょう。
その上で、中1の広葉のクラスの様子についてまとめましょう。
広葉は、小学校の頃の転校で「おもしろいやつ」だと思われるために無理してお笑い芸人のまねをしていたけれど、飽きられ、孤立してしまった。
それ以降、目立たないように、失敗しないように心を閉ざし、表情を見られないようにマスクをして過ごしている。自分を出すことに恐怖感を持ってしまったのは、仕方ないのかもしれない。
でも、心を閉ざしたままでは、人との関係は広がらないし、深まらない。
きっと、広葉の1年A組は、広葉が感じているほど「上層」とか「下層」とかいうカーストはないだろうけれど、広葉は人間関係を作ることに憶病になっていたと思う。
という風な内容を、自分の言葉でまとめましょう。
広葉がなぜ変わったのかについて考える
でも、広葉は、変わることができました。それはなぜだったのかを考えてまとめましょう。
何となくの流れで、広葉は目立たない地味な栽培委員会に入った。
でも、栽培委員会で植物を育てる中で、先輩とかかわり、友だちとかかわっていき、心を開いていく。
元気のないペチュニアを育てるために、友だちと一緒に図書館で調べ物をしたり、土を手入れしたりすることで、広葉は委員会の中で認められていった。
無理してキャラを作るのではなく、自分らしさを素直に出すことが、大切だったのだろうと思う。
ということを自分なりの言葉でまとめましょう。
自分自身の友達や仲間とのかかわりについて考える
自分が所属しているクラスやグループの仲間とのかかわりについて紹介しましょう。そして、自分が充実して生活していることをまとめましょう。
友達とは良いライバルで一緒に高め合う関係で、お互い刺激を与えあっている。
お陰で日々充実している。
こんな日々を送れるのも、ライバルの〇〇のおかげだ。
ということをまとめましょう。
読書感想文にこれからの自分の決意を書く
今の自分から、未来の自分を予想しましょう。友だちや先輩、先生と関わる中で、きっともっと成長していくだろうということを書いて終わりましょう。
でも、それこそが次の成長の糧になるということを、この本を読んで僕は改めて感じた。
だからこそ、これからも自分の活動は引き続きやっていきたい。
とすれば、読書感想文としてスッキリ終わることができるでしょう。
「天地ダイアリー」の作者紹介
作者はささきありさんです。
1969年、千葉県生まれ。
夫婦で著作・出版関係のお仕事をされております。
最後に
中学生とか、高校生の時代は思春期真っただ中で、自意識過剰ともいえる時期ですよね。
だからこそ悩みも深いともいえますが、とても大切な経験だとも思います。
自分の悩みをさらけ出して内省することで、深い読書感想文に仕上がるといいですね。
応援しています!